遭難事故対策ノート
救急医療 ( )内の項目は別窓で開きます。
(山岳事故'山での怪我'の傷病者評価 心肺蘇生法
怪我人を背負って(捻挫,骨折,止血) 虫 へび 健康とは
凍傷 低体温症 高山病 基本救急セット 基本救急セットQ&A)
遭難対策の心構え 遭難対策基金運用規定
ツエルトビバーグ ヘリコプター救助
事故発生の知らせを受けたら アクシデントの現場で
夏山サバイバル 雪山サバイバル 救助訓練 ショートロープ研修
非常通信 救助隊編成 緊急連絡体制 Timtamのトップページに行く
遭難対策の心構え
Timtamでは、優れた技術や強い体力を持つこと以上に、山の仲間作りをすることが遭難対策として最も重要だと考えています。
・山に行くために発生する雑務(仲間が増えれば雑務も増える)を積極的に分担しましょう。
・所属する山岳会(or 山のサークル)の集会とか行事などを休まないようにしましょう。
・自分の技術レベルあった自分の山に後輩をつれて行くのではなく、
後輩のレベルに下がって後輩の山に行きそれを盛り上げるようにしましょう。
・半分は自分の行きたい山のために、半分は仲間の行きたい山のために活動をしましょう。
・仲間どうしのコミュニケーションを豊かにしましょう(Communication up、シーアップ)。
もし万が一、君が遭難事故にあった時、君の山での行動パターンや装備を知っていて、捜索救助の手順を効率的に考えてくれる仲間、…山の支度をして待機していてくれたり、対策本部に集まって来てくれる仲間、…リーダーシップを取ったり、記録係や会計係りになったりしてくれる仲間、…わずか200万円ほどの保険金を効率的に使ったり、それをおろすのに保険会社と交渉してくれる仲間、…地元の警察や山岳会などに何度も足を運んでいろいろ頼んでくれる仲間、…などなど、君はそんなふうに動いてくれるたくさんの山の仲間を持っていますか?。そんなたくさんの山の仲間を持っていることが、遭難対策基盤を持っているということなのです。
遭難対策基盤というと、登山届を出すこととか遭難救助保険や救助組織とかのことだと思う人がいるかも知れませんが、それは遭難対策基盤の一部でしかないと知っていなければなりません。
〜資金的な裏付け〜
自分の入ってる保険等の内容はよく研究しておきましょう。
@Timtamの講師が所属するガイド組合(NIAJ)の会長である天野博文氏が山岳保険を作っています。
@日山協の山岳遭難救助保険
日山協加盟の山岳会に入り、その山岳会の所属する都道府県山岳連盟でまとめて保険に入れてもらいます。保険の適用は所属山岳団体に登山計画書を提出してあり、団体で承認したものに限られており、しかも海外における山行は除かれるます。(年一口7200円の掛金で、150万の救助料。)
@登山用品店で販売している保険
登山用品店がそれぞれ保険会社と契約しています。内容は様々なのでよく確認してください。
@労山の山岳遭難共済
国内だけでなく、海外における山行もカバーしています。労山加盟の山岳会に入ってそこでまとめて保険に入れてもらいます。
@ハイキング保険
ハイキング保険は低額の加入料で高い保証がついています(ほぼ旅行傷害保険と同等です)。ピッケル・アイゼン・ロープ・三っ道具を使用するような山登りには適用になりません。
@都岳連個人会員遭難救助保険
都岳連救助隊やレスキューリーダーをバックに保険と救助のシステム作ってくれています。詳しくは都岳連に問い合わせて下さい。
@旅行傷害保険、ボランティア保険
ハイキング向け、ロープ・ピッケルなどを使用する登山は免責条項に入っていることが多いです。
@保険会社の山岳保険
登山者用の生命保険を作っている保険代理店がいくつかあります(登山情報誌等に広告あり)。
@保険会社の生命保険
ロープ、ピッケルなどを使用する登山は免責条項に入っていることが多いです。
@郵便局の簡易保険
郵便局独特の仕組みは研究しておくと良いでしょう。
@山岳ガイドの賠償責任保険
ロープを出すべき所で出さなかったなど、ガイドのミスが公式に認知された場合に降りる保険です。ガイド連盟に所属するガイドの人が入っていることが多いです。
@遭難対策基金
@基金が200万円あったとしても、ヘリコプターを2回も飛ばせばなくなってしまいますし、人を要請すれば一人一日10万円が出て行きます。しかし、遭難救助の初動に直ちに使えるお金の存在は大きいのです。Timtamでは、山岳遭難対策基金(基金準備約120万円)があります。
A2010年の現在、警察の救助ヘリコプターの質と量が充実してきました。ヘリコプター対策よりも、人的(遭難救助の技術および救助に出動してくれるという考えを持った人)な備え(遭難対策基盤の山仲間の部分)や、事故防止思想を育てることの方が重要となっています。
・・・・・・・※@は1999年の記述です。Aは2010年の追記です。
遭 難 対 策 基 金 運 用 規 定
制定:2003年3月7日 改訂2010.4.30
前 文・山岳遭難事故発生に際して、そのもたらす悲劇は最小限に止めなければなら
ない。そのための一助として、登山教室Timtamは遭難対策基金を設立する。
・遭難対策基盤とは金銭的な備えと、救助技術を持った山の仲間のネットワー
クである。登山教室Timtamではそのネットワークの中心を講師達が担ってい
る。従って、本基金は講師育成のための一助として役立たなければならない。
・山に行くにあたっては勇猛かつ果敢であってよいが、同時に遭難事故を防ぐ
ために細心かつ沈着でありたい。本基金が、遭難救助のために適用されるこ
とな� ��皆無であることを祈念する。
第1条・遭難対策基金(以下基金とする)は「登山教室Timtamの会員およびその会友
で、基金への入金を呼び掛ける行事(救助訓練、サバイバル訓練、等)に毎
年継続して参加し基金の積立を行っている者」(「 」内を以下基金参加者と
する)に対して、次の二項のために適用する。
@基金参加者の山岳活動における遭難事故の救助および捜索のため。
A基金参加者で将来、登山教室Timtamの講師となるだろう人の山岳ガイド
(山地、山岳、登攀、等)の資格取得のため。
第2条・基金の充実を計るための行事を年1回以上実施し一口1,000円の積立て金
の入金を基金参加者に依頼する。入金した積立て金は返金しない。
第3条・基金参加者が第2条の行事に1年以上参加しない場合は基金の適用から除くこ
とを原則とする。
第4条・基金の運営は登山教室Timtamの代表が行う。
・登山教室Timtamの救助委員会は基金の運営を補助する。
第5条・基金の適用は登山教室Timtamの代表の指示により行い被適用者に貸出す
ものとする。
・貸出しは無利子にて行い2年以内に返済することを原則とする。
第6条・登山教室Timtamの終了時(有料講習会を1年以上開催しない時)には、
基金運用規定の制定(2003年3月7日)にあたって「松浦寿治」氏より提供さ
れた元本(¥1,120,000)を同氏に無利息で返却する。元本を除いた残金は登山教
室Timtam救助委員会委員長に使途を一任する。
第7条・基金は登山教室Timtamが遭難対策基金専用の銀行口座に保管する。
・基金の残高は毎年1回程度基金参加者へ報告する。
・2003年3月7日現在の基金積み立て額は¥1,120,000である。
ツエルト必携&ツエルトビバーク
1、ツエルト必携
どんな山行にも絶対にツエルトをもっていきましょう。超低山のハイキングでも人口壁に
トレーニングに行く時でさえもザックを背負って行くなら、その中にツエルトが必ず入って
いるようにしましょう。
2、ツエルトビバークの三種の神器
ツエルト・・・底が割れているタイプのもの。ポールはいらない。パーティに一つといわず
いくつかあって良い。(個人装備と考えて各人がもっていてよい)
マッチ・・・・ザックの中、ポケットやポシェットの中など複数箇所に複数個持つこと。防水を
忘れずに。
メタ・・・・・・1人1箱20本
3、ツエルトビバークの用具
三種の神器・・・ツエルト、マッチ(スペアマッチも)、メタ
金属のコップ・・・火にかけられるもの
非常食・・・・・・・・チョコ、ガム、チーズ、コンデンスミルクなどコンパクトでカロリーの高いもの。
雨具・・・・・・・・・・ゴアテックスがコーティングしてあるものが良い。
非常衣類・・・・・下着がコンパクトで軽いのでおすすめ。(白でない方が良い。新素材でできた
ももひきと長袖シャツ)
懐中電灯・・・・・ヘッドランプ&超小型ペンシルライト(防水)の2種類を持っていると良い。
予備電池・・・・・懐中電灯と予備電池と予備電球はセットで持つ。
4、ビバークの方法
・ビバークを決定したら、すみやかに適地をみつけよう。座れればいい。上からの落石が
来ないところを選ぶ(もし来そうならばヘルメットをとらない)。風のこない所や水の取れ
る所はもっと良い。雨が降ってきたら雨水を集める工夫をしよう。ルンゼの中は水と落
石の通り道なので避ける。雪山の場合は雪崩の来そうな所を避ける(風下の吹き溜ま
りは危険!風を避けるとそこに引きずりこまれるので注意)。
・衣類を着込んで、トイレを済ませ、危ない所ならセルフビレーをセットして、2〜3人なら
横に並んで4〜5人なら車座になってザクの上に腰を下ろし、ツエルトをかぶる。底の
割れな� �ツエルトはかぶれないので良くない。ベンチレーターが上になるように(ベンチ
レーターはのぞき穴にもなる)してザックの下にツエルトの底を巻き込んで体重で固定
してしまう。風が強い時はツエルトを飛ばされないように注意する(ツエルトの予備があ
って良い)
・食料の残りを調査し食料を管理する計画を立てる。
・寒くなったら、石や金属(コップなど)の上にメタを置き火をつける。30分おきに一本燃やし
ても20本で10時間もつ。コンロを持ってればメタを使うのはコンロの燃料が無くなってから
になる。燃料の管理は食料の管理とともに重要だ。火をたいている時は寝ないで起きてい
る人の分担を決めておくこと。
・火がたけたらコップでお湯をわかそう。白湯でもいいし、チョコや生姜などを溶かして飲むと
とてもおいしいし気持ちもおちつく。
・厳冬期の高度の高い場所では、靴のひもをゆるめて足の指の凍傷をふせぐ。
・夜は長いけれど待っていれば必ず朝が来る。
・朝明るくなってからの行動も考えておく。
『ルンゼの懸垂になるから落石をよけた場所でピッチを切ろう』
『下からロープを引いて動かなかったらセットをなおしてくれ』
『ホワイトアウトだから一列になって方向を確認しながら進もう』
などなど。考えすぎる時は楽しいおしゃべりをしよう。
事故発生の知らせをうけたら
〜事故発生の知らせをうけてからのフローチャート〜
1、落ち着いていますか?
Yes(以下Y)・・・・2に進む
No(以下N)・・・・深呼吸をしたり、指を組み合わせたり、
胸に手をあてたりして落ち着くようにしま
しょう。落ち着いたら2に進んで下さい。
2、ノートを一冊用意しましょう。
3、ノートに今聞いた連絡の内容を5W1H(What,Who,Where,Why,
How)の要領で整理して記入しましょう。
情報をありのままに記入して脚色しないようにして下さい。また
今後あなたが連絡を発信したり、受信したりした場合はその日
時と内容をすべてこのノートに記入していくようにして下さい。
4、あなたの受けた連絡は事故処理のリーダーシップを取れない
人(遠い現地にいる人、あるいは在京でも山を知らない人、他
の山岳会の人など)からのものですか?
Y・・・・リーダーシップの取れる人(信頼できるリーダー会
員)が現れるまでは事故の報を一番にうけたあなた
がリーダーシップを取って事故処理にあたらなけれ
ばなりません。今リーダーシップを取れるのはあな
たしかいないと認識しましょう。・・・・5に進む。
N・・・・連絡の打ち合わせに従って行動を開始しましょう。
5、「単に下山が遅れているのだろう。現地のパーティが自力で処
理できてしまうだろう」と予測できますか?
Y・・・・9に進む。一部の人(山がわかっている人)に連絡
を開始する。
N・・・・6に進む。
6、あなたのアドレス帳(所属の会の会員名簿など)の上から順番
に電話をかけていきます。いつ誰に連絡したか、2で用意した
ノートに記入するのはもちろんですが、電話の相手にも必ずメモ
を書いても らいましょう。連絡をしているうちに次にやるべき
行動がみえてきます。
7、救助隊を編成しなければならない状況ですか?
Y・・・・あなたが設置した本部(会の事務所やあなたの家な
ど)に集合(山に行ける装備、捜索救助の用具を持っ
て)するように連絡しましょう。人がある程度集まったら
救助隊を編成しましょう。
隊員の役割分担を決めたら(あるいは決めるように指
示したら)出発させましょう。
隊員の役割文担 @捜索本部 A記録係(隊員名簿、
スケッチ、撮影、状況記録) B雪崩の場合は見張り
役(二次災害を防ぐ) Cサポート隊(ツエルト設置、湯
沸� �し) Dルート整備およびルート工作 E通信係
F会計係 Gその他
N・・・・9に進む。
8、関係機関に連絡しなければならないような事故ですか?
Y・・・・@警察 A所属山岳会 B会社 C家族
N・・・・9に進む。
9、連絡待ち
アクシデントの現場で
落ち着きましょう。ここは安全な場所なのかまず考えてみて下さい。
安全な場所に移動したら応急処置をします。それから次の行動を考えましょう。
〜事故発生時からのフローチャート〜
安全な場所か? → 安全な場所に避難
↓
待機、好天待ち ← 自力下山できるか? → 連絡ー救助活動
↓ ↓ ↓
現状の把握 装備、食料の点検 現地救助隊の編成ー救助本部設置
周囲の状況の観察 下山方法の検討
食料の管理 偵察 活動開始 ↓
↓ ↓ ↓ ←ーーーーー救助隊
ビバーク用意 下山 ↓
↓ 捜索打ち切りーーーーー発見できたか
連絡員がだせるか→→ ↓ ↓
| 長期捜索 応急処置ー本部・警察・家族へ連絡
, ↓
↓ | 救出方法決定→搬出・下山
連絡 |
↓ |
ビバーク ←←
↓
*自力下山できるか
沢登りノートのページにある怪我人や病人を背負っての脱出の項もお読み下さい。
健康とは
健康といえばWHOの「肉体的にも精神的にも社会的にもすこやかなこと」が有名ですが、それは1960年代に盛んに言われたもので、古いです。
WHOは1986年にオタワ憲章というのを宣言して、その中で下記のように健康を定義しています。
<<健康とは・・>>
「一人ひとりの病気や障害の有無に関わらず、生涯にわたり意欲的に学び続け、絶えず自己実現を図り、いかなる社会変化にも対応し、主体的に生き抜くことである。」
「自らの健康はコントロールし改善出来る。」
山岳事故(山での怪我)の傷病者評価
キーワード: 三つのS と ABC
一見軽症に見える人でも、必ずこの手順で身体全体を観察しましょう。特に、数メートル以上の転滑落、落石事故など、身体に大きな衝撃を受けたときは、命に関わる怪我を見落とさないことが大切です(軽症の人にこの手順を踏んでも、それで手遅れになることはありません)。
SS→S→A→B→C(一つの段階をクリア出来なかったら先に進んではならない)
SS:Safety & Scene 安全&状況
S:Supine 脊椎(頸椎)管理
A:Airway 気道があいているか
B:Breathing 呼吸をしているか
C:Circulation 脈/活動性出血
D:Disability 障害部位は� �意識はあるか
E:Environmental control
(辞書=scene→舞台,場面 supine→脊椎 disability→身体障害 environmental→周囲の,環境の)
Supineは医学用語で脊椎の意味があります。覚えにくければ 背骨(Sebone)で覚えてください
SS→
まず、近寄る前に必ず確認
@3つの安全(その場所・自分・傷病者)を確認する。
A状況の確認(何がどうしてそうなったのかを可能な範囲で確認)
B同行者がいれば安全な場所に待機するよう指示する。
C下降する場合は、傷病者の真上からでなくて、少し離れた落石を落とさない場所から近づく。
鳥の煙をperventする方法
S→
@傷病者に声をかける前に頭を押さえる(首を動かすことをさせない)。
A離れていて、すぐに近づけず、声をかけざる得ない場合は
「動かないで下さい!振り向かないで下さい」と言ってから
「大丈夫ですか?」と言う。
B頭を両手でボーリングの玉を持つ感じで押さえる。
C傷病者の頭側から近づき親指を傷病者の鼻の方向に向けて持つ。
頸椎の固定は、1)意識がしっかりしていて、2)他に大きな外傷(痛みが強い部位)がなく、3)首の後ろの痛みや手足の痺れがない、の3つが確認出来るまで続けるのが原則
現場での頸椎固定の解除には議論の余地があります。現時点では上記にしておくのが無難でしょう
A� ��
*首の痛みや動かすときに抵抗が無いことを確認しながら、顔をゆっくりと正面に向ける。
このとき、声が出れば気道は開通している。ヒューヒュー、ゴロゴロなど異音がしないかを観察。分かりにくいときは、次のBと同時に、顔を口元に近づけて行う
B→
*呼吸の確認(見て、聞いて、感じて)
自分の耳と頬を相手の口元に近づけて、速さ(回数)・深さなどを観察
C→
@脈があるかみる(手首・首)(わからなければ心臓の部分に直接耳をあてる)。
A脈がないのに(心肺停止しているのに)ヘリコプター(命がけで飛んで来る)を要請して良いのか?
B出血部位の確認と止血(止血は現場で出来る最も有効な処置である)
C動脈からの出血も、指二本の� ��迫で止めることが出来る。
D→
@意識のレベルを確認
(1)目をあき何もしなくても反応する
(2)声をかけると反応する
(3)たたいたりすると反応する
(4)何をしても反応しない
A障害部位の確認
(1)全体に体を触って観察する。
(2)頭以外にも、胸、腹、骨盤の損傷は命にカカワル(大腿骨もかなり危ない)。
(3)骨盤に触るのは1回だけ(骨盤骨折を2回以上も触るのは不可)
E→
@状況を全体に再確認する。
A環境を整える(ツエルトを張るなど)。
BEまで終わってから状況報告や救助要請の電話をする。
SSからEまでの流れのポイト
@安全確保
・・・自分の安全優先、傷病者の安全確認
・・・何が起きたのか、傷病者の数
A傷病者初期評価
・・・生命リスクを評価し異常があれが即時対応
B傷病者二次評価
・・・簡潔な全身評価と病歴聞き取り<参考資料>山岳医療情報 大城和恵
心肺蘇生法
市民が行うためのBLS
心肺蘇生法は2005年に大幅に簡素化されました。「市民が行うためのBLS(Basic Life Support:一時救命処置)」ということで普及が図られています。
反応なし
大声で叫ぶ(119番通報・AED)
↓
軌道を確保し、呼吸をみる
*8歳未満の子供の場合は心肺蘇生法を2分間実施してから119番通報・AED(1歳以上)
↓
普通どおりの息をしているか?
*している 回復体位にして様子を見守りながら専門家の到着を待つ
↓
胸が上がる人口呼吸を2回(省略可能)
*胸骨圧迫のタイミングが遅れると脳への血� �が少なくなるので、人工呼吸は省略可能
↓
胸骨圧迫30回+人工呼吸を2回をくりかえす
AEDを装着するまで、専門家に引き継ぐまで、
または傷病者が動き始めるまで
圧迫は強く・速く(約100回/分)・絶え間なく
圧迫解除は胸がしっかり戻るまで
↓
AED装着
↓
心電図解析
電気ショックは必要か?
↓ 必要なし
必要あり ただちに心肺蘇生法を再会
ショック1回
その後ただちに心� ��蘇生法を再会
5サイクル(2分間)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
年齢別比較 @成人(8歳以上) A小児(1〜8歳未満) B乳児(1歳未満)
通報
@反応がなければ大声で叫ぶ・119番AEDの手配
A救助者が一人だけの場合心肺蘇生法を2分間実施してから・119番AEDの手配
B救助者が一人だけの場合心肺蘇生法を2分間実施してから・119番
気道確保
@AB頭部後屈あご先挙上法
心肺蘇生開始の判断
@AB共同じ:通常どおりの(正常な)呼吸をしていない
人工呼吸(省略可)
@A約1秒かけて2回吹き込む・胸部が上がるのが見えるまで 口対口
B約1秒かけて2回吹き込む・胸部が上がるのが見えるまで 口対鼻
胸骨圧の位置
@A両乳頭を結ぶ線の真ん中 B両乳頭を結ぶ線の少し足側
胸骨圧迫の方法
@両手で A両手で(片手でもよい) B2本指で
胸骨圧迫の深さ
@4〜5cm程度 AB胸の厚みの1/3
胸骨圧迫のテンポ
@AB約100回/分
胸骨圧迫と人工呼吸の比
@AB30対2
AED装着のタイミング
@A到着次第 BAEDは装着しない
AED電極パット
@成人用 A小児用(なければ成人用) BAEDは使用しない
AED電気ショック後の対応
@Aただちに心肺蘇生法を開始(5サイクル2分) BAEDは使用しない
気道異物による窒息 反応あり
@A腹部を突き上げ法・背部叩打法 B背部叩打法
気道異物による窒息 反応なし
@AB通常の心肺蘇生の手順
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
心肺蘇生法ガイドライン2005
はじめに
医学・医療は日進月歩でつねに変化を続けています。私達登山者は、日々新しい知識や技術の習得に努め、進歩に対応していかなければなりません。2000年の心肺蘇生法ガイドラインは、「心肺蘇生法ガイドライン2005」として変更されました。どのような変更点があったのかをガイドラインQ&Aとして記載します。
ガイドラインQ&A
Q1 どうしてガイドラインを変更したのでしょうか?
A1 2005年11月に国際蘇生連絡協議会が「心肺蘇生に関わる科学的根拠と治療勧告のコンセンサス」を発表しました。それを受けてアメリカ心臓協会とヨーロッパ蘇生協議会がそれぞれのガイドラインを作成、発表しました。両者はほぼ同じ内容です。日本では、これらのコンセンサスと両ガイドライン(以下「ガイドライン2005」という)をもとに「心肺蘇生法の指針」を作成しました。
Q2 心肺蘇生法の手順はどうなりましたか?
A2 心肺蘇生法の手順は可能なかぎり簡略化され、大切な手技を強力に行うよう変更されました。
@反応のない成人の事故者を発見したら、大声で周囲の人に助けを求め、119番への通報をする。また119番通報と同時に自動対外式除細動器(AED)を取ってくるように頼むことを忘れてはならない。
A気道を確保し、呼吸をしているかどうかを確認する。
B呼吸がなければすぐに人口呼吸を2回行う。さらに反応も呼吸もなければ心拍は停止したとみなす。
C胸骨圧迫心臓マッサージ(以下「胸骨圧迫」という)を30回と人口呼吸2回の組み合わせを5サイクル行う。
胸骨圧迫は1分間に100回のリズムで圧迫する。人口呼吸の経験がない、うまく行えない場合は、胸骨圧迫だけを実 施する。
DAEDが到着したら、一般市民でも、救急隊員でもすぐにAEDの電源を入れる。1分1秒でも早くAEDによる除細動が実施できれば、救命の可能性は高くなる。
Q3 循環のサインの確認はしなくてもいいのですか?
A3 ガイドライン2005では、「循環のサイン」の確認は行わないことになった。
循環のサインとは、事故者に対して最初の2回の人工呼吸を行った後に、咳、自発呼吸、体動があるかどうかを確かめることである。実際は確認が困難であり、この時間がロスとなるので省略することになった。胸骨圧迫を数分続けた時点で行っていた循環のサインの確認も不要となった。
Q4 胸骨圧迫マッサージをする時、注意することは何ですか?
A4 胸骨圧迫を行う時は、「強く」「早く」確実に行い、中断する時間を短くする。
血流の中断の時間を短くするため「胸骨圧迫を30回と人口呼吸2回の組み合わせを5サイクル行う」として成人・小児どちらの場合も胸骨圧迫の回数が多くなった。
「強く」「早く」圧迫することが重要である。一人で圧迫を続けていると力が弱まってくるので、一般市民の場合は5サイクル(2分間)終えたら交代する。
確実な胸骨圧迫を行うことにより脳や心臓は血流を得ることができるが、圧迫の力が弱く回数が少ないと充分な血流は得られず、また圧迫を中断すると血流は止まってしまう。そのため、救助者が交代するときは圧迫の中断は 最小限にする。
Q5 一般の人もAEDを使用しても大丈夫ですか?小児でも使用していいですか?
A5 2004年7月、行政の許可により一般市民がAEDを使用できるようになった。
2007年までで国内での導入が進み、一般市民が簡単に操作でき、確実に心室細動を停止してくれるのでAEDが胸骨圧迫の中に組み込まれるようになった。
小児(1〜8歳)にも、成人と同じようにAEDを実施してよいことになった。小児用パッドも国内では発売が許可になったが、手元になければ成人用パッドで代用する。成人用パッドでは小児の胸には大きいので、パッド同士が重ならないように張る。
心室細動という最も頻度の高い心臓の異常だけに働くという点から世界中に普及しつつある。ただし、すべての国 で一般市民の使用が許可されているわけではない。
Q6 人口呼吸で吹き込む量はどれくらいですか?
A6 人口呼吸で息を吹き込む際は通常の量でよい。
人口呼吸をする前に救助者は深呼吸をしない。吹き込む量が普通より多いと胸が膨らみすぎ、これが抹消から心臓に還ってくる血液の流れを妨げる。そして次の胸骨圧迫で心臓が送り出す血液が減ってしまうためである。また、胃に空気が吹き込まれる危険も伴っている。
胸骨圧迫による心臓からの血液の拍出は正常拍出の1/3ぐらいなので、人口呼吸もそれに応じた少ない量でよい。
1回の吹き込み時間も1秒にする。この時間だと、胸が大きく膨らむことがない。また胸骨圧迫がすぐ実施でき、胸骨圧迫の中断時間が短縮できる。
小児では人口呼吸で胸が上がるのを目安にして吹き込む� ��を調節する。小児の場合は呼吸停止が起こってから心停止になる場合が多いので、特に最初の人工呼吸は重要である。
人口呼吸で胸が上がらないときは、頭部後屈−あご先挙上法で再度、気道を確保する。
Q7 胸骨圧迫心臓マッサージ時の手を置く位置は変わりましたか?
A7 胸骨圧迫の手(手のひらのつけ根)は、胸の真ん中、または乳頭と乳頭を結ぶ線の中央に置く。
簡単に手の位置を確保するようにする。片方の手をもう一方の手の甲に重ねて、手のひらのつけ根で胸骨を強く圧迫する。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
心肺蘇生法の手順
成人(8歳以上に適用)
実 施 事 項 | 用 語 | 実施要綱(着眼点) |
@周囲の状況 大出血の有無 | 1.ここは安全です。 | 周囲の状況および大出血の有無を確認する。 |
A反応の確認 | 1.反応の確認(意識) @大丈夫ですか? A大丈夫ですか? B大丈夫ですか? | 観察位置(傷病者の肩部)に至る。 両手で肩をたたきながら、耳元で3段階に区分して (視線は傷病者の顔) |
B119番通報 AEDを依頼する。 | 1.「誰か来てください」 2.「あなた119番通報をお願いします」 3.「あなたAEDをもってきてください」 | 119番通報、及びAEDを持ってくるよう具体的に 指名して協力をもとめる。 |
C気道確保 | 1.気道確保 (頭部後屈あご先挙上法による気道 確保) | 傷病者の頭側にある手を傷病者の前頭部に当て、 他方の手の人差指と中指を傷病者のあご先に当て て、これを持ち上げ気道を確保する。 |
D呼吸の確認 | 1.呼吸の確認 @見て、聞いて、感じて、4、5、6、・・ ・・・10」 A呼吸なし | 呼吸は「正常かどうか」あるいは「普段どおりの息 か」を10秒以内で確認する。(胸部や上腹部の動き を見て傷病者の口、鼻に頬を近づけ空気の流れ又 は呼吸音や胸腹部の動きがあるかないか10秒以内 に判断する。) |
E人口呼吸 (省 略 可) | 1.人口呼吸 (1回1秒かけて2回) | 呼吸がなければ、気道を確保したまま額に当てた 親指と人差指で鼻翼をつまむ。有効な人口呼吸を1 回1秒くらいかけて胸部が軽く膨らむ程度吹き込 む。吹き込み後に頭を胸部側に向け、胸の動きと呼 気を確認しさらに1回吹き込む。 |
F胸骨圧迫 | 1.胸骨圧迫 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10 2.2.3.4.5.6.7.8.9.20 3.2.3.4.5.6.7.8.9.30 | 人口呼吸、呼吸がなければすぐに胸骨圧迫をする。 胸の真ん中(両乳頭を結ぶ線の真ん中) 胸骨圧迫30回、人口呼吸2回 (約100回/分) AEDの電源を入れたら、その後は音声メッセージと 本体に点滅するランプに従う。 |
GAED到着 除 細 動 | 電源を入れる・電極パッド装着・解析・ 「私離れています、貴方離れて下さい、 みんな離れて下さい」 | |
H胸骨圧迫 | 1.胸骨圧迫 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10 2.2.3.4.5.6.7.8.9.20 3.2.3.4.5.6.7.8.9.30 | 胸骨圧迫を行った後、自動解析が行われる(5サ イクルで約2分間、機種によっては1分間) |
*明らかな反応(体動)があった場合は胸骨圧迫を中止する。
*反応がなければ胸骨圧迫30回、人口呼吸2回をくりかえし続ける。AEDを装着していればAEDの支持に従い続ける
備考
:呼吸の確認の方法@胸部の上下動を『見て』、A呼吸があるか音で『聞いて』、B頬で息を『感じて』
:AEDが到着次第、AEDを使用する@ふたを開ける(電源が自動的に入るものと電源を入れるタイプがある),A服を脱がせ電極を張る(右の鎖骨の下と左の脇腹)、BAEDの音声ガイダンスに従う。
:AEDは山に持って行ける大きさ(2リットルポリタンぐらい))である。ふたを開けるとスイッチが入り、音声によるガイダンスが始まる。そのガイダンスに従って使用する。電極は使い捨てで、一度しか使えない。電極を貼り付けると自動的に心電図をとりはじめ、電気ショックが必要な場合は充電を開始して、電気ショックのボタンを押すように指示が出る。電気は八千ボルトなので、ショック� �与える時は傷病者に触れない位置(一メートルぐらい離れる)に移動すること。以後AEDのガイダンスに従い続けること。電気ショックを1回行って反応がなければただちに胸骨圧迫30回、人口呼吸2回を行うサイクルに戻る。胸骨圧迫と人口呼吸の戻りそれを行っているとAEDの次のガイダンスがある。
:呼吸が回復したら傷病者を横向きに寝かせて、救急隊の到着を待つ。
:AEDのスイッチを切りたい時はふたを締める。
:日本では、年間三万人の人が自殺で、二万人の人が心室細動(心臓が痙攣して、ポンプの役割を果たせず、酸素を多く含んだ血液を体内に送り出せない状態)により、八千人が交通事故で、亡くなっています。三分以内に除細動をすれば四人に三人は助かると言われています。五分で50%、八分で16%です。超小型の除細動装置を持って山に行くようになる時代が遠からず来ると思われます。
:回復体位・・・まくらはしないこと。息をしている場合は首を横に曲げます。首を横にしておけば窒息には安全である。
:Just Four Minutes (4分以内)、心臓停止後4分・・・大脳皮質不可逆、10分・・・脳幹部不可逆(脳死)
:原因疾患を問わない(頭部外傷、心筋梗塞、溺水、感電、異物窒息、急性薬物中毒etc)、医者を呼んでいるひまはない!
:相手がだれであれ"必ず助けるぞ!"という熱意をもつこと。
:だれでもできる(一般市民ができる)ABCF、A:Airway 気道確保、B:Breathinng 人工呼吸、C:Circulation 心臓マッサージ 、F:除細動 、ちなみに D:Drug 薬、E:心電図
:異物除去法・・・口腔、咽頭内から異物を指でかきだす←ガイドライン2000からは救命措置の手順に含まれなくなった。
:のど緊急切開・・・甲状軟骨と輪状軟骨の間の陥凹部(のど仏の下のくぼみの所)を開く(横にナイフをいれ、縦にひねる)←医師の行うこと。
:除細動・・・心臓の電気信号系がバランスを失って、平常のリズムを保てず、心臓を作る筋肉が個々バラバラに伸縮てしまう状態を細動という。←強い電気信号によってそのバランスを取り戻すのが除細動装置である。
:ガイドライン2000の旧の心肺蘇生法からの変更点・・・@口腔内確認をしない←異物があれば呼気が入らない。A、脈拍の確認をしない←心臓を押せば痛がる。B119番通報者を具体的に指名する。「あなた119番通報お願いします」←だれかに頼って、だれも通報していない事態を防ぐ。C循環のサインで確認する←実際には困難なのでガイドライン2005では行わないことになった。
:ガイドライン2005のガイドライン2000からの変更点・・・@胸骨圧迫心臓マッサージを30回と人口呼吸2回の組み合わせを5サイクル行う。A「循環のサイン(咳、自発呼吸、体動)」の確認は行わない。BAEDによる電気ショックが1回行われたらただちに胸骨圧迫にもどる。
非常通信
〜無線の使用〜
まず、非常通信周波数に合わせます。
この周波数は呼出用周波数と同じなので空くのを待っていると
何時までも通信できないのでスキをみて送信を開始します。
【通信例】
A:ヒジョウ ヒジョウ ヒジョウ CQ CQ CQ こちらは JE1AUZ JE1AUZ JE1AUZ どなたか応答願います。 (受信にして応答がない場合は繰り返す)
B:ヒジョウ ヒジョウ ヒジョウ JE1AUZ JE1AUZ こちらは JZ9□□□ JZ9□□□ です。取れますか?
どうぞ。
A:ヒジョウ(ヒジョウ ヒジョウ) JZ9□□□ こちらは JE1AUZ 松浦です。
14時40分 北アルプス立山の剣岳にて遭難事故発生。現場は、三ノ窓雪渓上部 転落して出血多量 意識不明の模様 富山県警察本部山岳警備隊へ連絡願います。
繰り返します
14時40分 北アルプス立山の剣岳にて遭難事故発生。現場は三ノ窓雪渓上部 転落して出血多量 意識不明の模様 富山県警察本部山岳警備隊へ連絡願います。 JZ9□□□ こちら JE1AUZ どうぞ
B:ヒジョウ(ヒジョウ ヒジョウ) JE1AUZ こちら JZ9□□□ 了解しました。
14時40分 北アルプス立山の剣岳にて遭難事故発生。現場は三ノ窓雪渓上部 転落して出血多量 意識不明の模様 ということですね。すぐに警察に連絡します。 JE1AUZ こちら JZ9□□□
A:ヒジョウ(ヒジョウ ヒジョウ) JZ9□□□ こちらは JE1AUZ 宜しくお願いします。このまま待機しす。
JZ9BBC こちら JZ9BBC
B:ヒジョウ(ヒジョウ ヒジョウ) JE1AUZ こちら JZ9□□□ 了解しました。
注:沢の中など電波が届きにくい場所にいる場合は尾根に中継を置くようにします。
松浦代表のアマチュア無線局のコールサインはJE1AUZです。
「こちらはJE1AUZマツウラです。」と発信します。
取り決め周波数は
437.14MHzです。
4+3は7、7+7は14と覚えてください。
混信の場合は
437.22MHz 437.66MHz 437.88MHz
に順次移動します。
非常時は山頂等に出て2時とか3時とかの定時から10分間437.14MHで待ち、それ以外は433.00MHのコールチャンネルにてフルオープンで待機します。繋がらなくても時間を置いて何度も交信を試みて下さい。携帯電話も交信エリアが広くなっていますので、併用してください。
ヘリコプター救助
免疫システムがどのように動作するか
宮城県警機動隊救助小隊レンジャー分隊より
Date: Fri, 15 Feb 2002
@先週の連休最終日に、宮城県の北部、秋田県境にある栗駒山で遭難事案がありまし た。 天候が回復した13日午前中にヘリコプターで3名を救助しました。 3名は雪洞の中で救助を待っていたもので、手足に軽い凍傷を負っていました。 救助中のことですが、3名は山スキーで、1人が40kgくらいのザックを背負っていたの で、ホイスト救助のためにスキーと大型ザックを現場に放置して吊り上げました。
@状況によるということを前提としてですが、この事案のように、サーバイ バースリングで吊り上げるときには背中のザックが障害になることから現場に放置す ることを考えて、貴重品などを身に付けて待機することを勧めます。 できれば、放置したザックには持ち主を示す措置をお願いしたいのです。
@大型ザックでもヘリのダウンウォッシュにより吹き飛んでしまいます。救助位 置から遠ざけて、後日、回収に来てわかりやすい位置に埋めるなどではどうでしょう か。 救助活動中、曇りで強風の状態でした。パイロットとしては現場活動は短時間にした いものなのです。
ヘリコプターの特性
@ヘリコプターの活動は有視界飛行です。昼夜の別、天候、パイロットの技術・経験・知識によって大きく左右されます。速度が速いので見落とす可能性が大きいと考えるべきです。
要請の方法と条件(警察を窓口として依頼することが望ましい。)
@事故状況と負傷状況を的確にメモし、最寄りの山小屋などの通信手段を利用して「所轄警察署」を通してヘリコプター会社に連絡をとってもらうこと。事故者が己パーティで無い場合その氏名、住所を確認し連絡に努めること。
自衛隊ー県知事の要請が必要
条件・人命救助であること。
・自衛隊以外に方法がないこと。
・自衛隊法に違反しないこと。
警察ー依頼者が明確なこと(富山県警・長野県警など)
条件・生命の危険があり、緊急を要すること。
� � ・遭難者に自力救助の能力がないとき。
民間ー仕事でないので丁寧な対応が必要。(東邦航空(調布)・旭航洋(北ア))など。
条件・救助、遺体搬送は原則として警察の許可が必要。
要請に必要な条件
・要請責任者の住所、氏名、連絡先 ・保険加入の有無 ・目的 ・経路
・現地の目標 ・地形 ・気象(視界、雲量、風速、天気の様子、積雪、雪質)
・ヘリポート設置の有無 ・標識の有無(吹き流し、焚き火)
飛来の条件
・昼間の「晴れ」の状態で、風速15.4m、突風8.2m以上の風が吹いていないこと。
・重傷者であること。搬送が人力で困難なこと。天候上、急を要すること。
ヘリポートの条件
・20m四方以上に近い平坦値で風向きが明確に判断出来るようにした場所なら着陸
できる可能性有り。
・ビニール、砂などの飛散物がないこと。(ビニールはローターに、砂はタービンに影響
を与えるため。)
・進入は向かい風、(十分な広さをとる)、斜面は平らに雪面の凹凸が分かるよう新雪
は踏み固める(ホワイトアウトを防ぐため)
ヘリコプターに近づく場合
・接近は前方左右45度方面から。頭上に注意すること。特に傾斜地の場合上方から
の接近は絶対しない。
・長い物をもって接近しないこと。
・テールローターには絶対近づかない(地上1m前後の高さで回転している)。
・ドアの開閉は自分たちでやる。・負傷者は担架のままは乗せられない。
ホイスト使用の注意
・ホイストは中型以上でなければ装着できない。(ベル212・214など)
・最大吊り上げ重量272g、全長78m。
・ホイストケーブルは帯電しているのでまず地面にアースをすること。(右足で立ち、右手
でフックを持つ。)
ヘリコプターに発見されるためのポイント
・視界の開けた尾根筋へ登る。
・樹林帯を避け障害物の無い所で待つ。
・生木を燃やし大量の煙をだす工夫をする。
・手や長い布きれなどを振る。
ヘリコプターへの合図
遭難した登山者はヘリコプターが接近したときに、下図のようなサインを送り、救助要請
の意志をヘリコプターに送る。@ヤッケ、雨具など色鮮やかで大きな目印になるものを片
手にもって上空にむかって大きく円を描く。Aヘリコプターの乗員が確認出来る位置まで
近づいたら体側に沿って上下に振る。
@ A
夏山サバイバル
徒渉でのロープワーク
・ビレーヤーは川下にいる
・確保器は使わず両手でたぐりよせる
・ビレーヤーより川下に流される前に引き寄せる
・上流に支点が取れる場合
・一人渡れれば流星法が使える
肩組みの徒渉
・流れと人の進行方向の関係
・杖をついての徒渉
へつりのロープワーク
自己脱出(=ロープ登り)&降り
@トップロープでビレーしてもらいながら練習すること。
@下図の方法でスリング(足用とハーネス用の2か所)をかけて登る。
@適当な高さまで登ったら、ハーネスより下に垂れたロープに懸垂下降器をセットする。
@セットした懸垂下降器のさらに下に垂れたロープに足に巻き付けて踏みつけて立ち上がり、スリングのテンションを解除する。
@スリングを回収して、懸垂下降する
トップ墜落とテンションの解除
@トップを登るクライマーに見立てた、60kg程度の砂袋をハングした壁の中間支点の上まで持ち上げる(通常のビレーシステムに加えて動滑車1つと定滑車1つを使った引き上げシステムが必要)。
@砂袋を落下させ、ビレーヤ(セカンド)はトップの墜落を止める。
@墜落を止めテンションのかかったロープを仮固定(エイト環仮固定)する。
@テンションのかかったロープにオートブロック(ブルージック結びなど)でスリングをかけ、そのスリングを支点に固定する。
@オートブロックでなくてマリーナヒッチを使えば再びビレーの状態に復帰出来る。
@仮固定を解いてテンションを上記のスリング(orマリーナヒッチ)に移し、ビレーヤーはフリーになる。
@メンバーは数人必要、ビレーヤ� ��と砂袋引き上げ係りを交代して全員が衝撃体験をする。
負傷傷者の背負い方
@平地にビニールシートをひき負傷者役があお向けに横たわる。
@救助者は負傷者の横に同じ向きに横たわる。
@負傷者の救助者から遠い側の足を近い側の足の上に交差させるように乗せる。
@救助者は一本背負いのようにして負傷者の腕を引きながら反転し負傷者を背中に乗せる。四つんばいになり、付近の石や立ち木などにつかまって立ち上がる。
@3メートル長30mm以上幅のテープで作ったスリングを負傷者の尻からとって救助者の両肩にかけ背負い紐とする(下の左側の図)。
@救助者は負傷者を背負って少し歩いてみる。その後、次ぎの人に交代
◇60Cmくらいの長さの木の枝やストックなどに銀マットをまきつける。それをザックの背負いひもの下の所に横棒として通� ��入れておく、そこに両足をのせてもらい負傷者をザックで背負う(ザックを背負子にする)。背負う側もかなり楽で、今の所、この方法がベストのようである。
◇負傷者がハーネスをつけている場合
(1)ハーネスの腰に回るメインベルトの右盲腸の位置と左盲腸(もちろん左に盲腸はない)に2本のスリングをタイオフし(ミュールヒッチorカウヒッチ)て背負いひもとする。下の(2)にあるように、ハーネスの左右のレッグループのビレーループへのベルトの付け根の所に2本のスリングをタイオフしする方法もある(力点が下になるが背負いやすい)。
(2)ザックの中身を出し、背負い紐の上の付け根に、スリング2本をタイオフし、ザック背中上部の釣り手の中を通して交差して正面に出す。そのスリングを負傷者のハーネ スのレッグループに掛けて、ザックを背負う(負傷者が背負われる)。
◇ザックの中身を出して背負いひもをゆるめ、上下を逆にして、ザックのハートの所が負傷者の尻の所に来るようにして背負う方法があるが、ザックの背負いベルトが切れる可能性があるので注意が必要である。
イラスト作成依頼中
エイト環の仮固定
@2メートルほどの高さに打った支点にロープをかけ、エイト環仮固定の練習を行う。
@垂直程度の壁を懸垂下降し途中で停止して、エイト環仮固定を行い両手をフリーにする。
@仮固定を解いて、さらに懸垂下降で下まで下る。
@負傷者を背負うと100kg以上の重さがかかるのでエイト環仮固定は簡易的なロープをクロスさせる方式ではなく(解除できなくなる)、ロープをグルグル巻きつけて固定する方法をとる。下図では巻きつけたロープにくぐらせているが、解除できないことの方が問題なので、2001年度よりくぐらせずに止めるようにしている。
@負傷者を背負っての懸垂は2年次生対象の救助訓練Aで行う。
Aの部分にカラビナをかけて止める。二人分の荷重がかかる場合はさらにテンションを逃がす工夫が必要!
ハーフマストの仮固定
@ハーフマスト結びによる、ビレーや懸垂下降はエイト環などの確保器具を落とした場合に頼もしい見方であると同時に、様々な用具の不足する救助の場面では有効である。
@2メートルほどの高さに打った支点にロープをかけ、ハーフマスト仮固定の練習を行う。以下エイト環仮固定の時と同様に練習する。
@Aの部分にカラビナをかけテンションのかかったBのロープに止める。二人分の荷重がかかる場合はさらにテンションを逃がす工夫が必要!
チロリアンブリッジのセット
@川の対岸にロープの一方を固定、川を越えてロープを張る。ロープを張る支点の3mほど手前の位置にブルージック結びでスリングをかけそのスリングにかけたカラビナを動滑車に、ロープを張る支点にかけたカラビナを定滑車にしてロープをピンと張る(トラックの荷のひもをかける方法と原理は同じ)。
@ロープにハーネスのカラビナをかけ、ロープを渡って対岸に渡る。
@張られたロープの高い方から低い方に渡る方が簡単。
@チロリアンブリッジは荷の運搬(流星方と組み合わせる)にはスピードがあり輸送力もあって威力を発揮するので、時間があれば、ザックなどを運搬してみる。
90度回転すれば荷揚げシステム(左上の支点はガルーダヒッチにする方が良い)の図になる。
ハーケンの打ち込み方向に注意(図では抜ける方向)・・・人工の支点より立木の方が望ましい。
雪山サバイバル
<雪崩による埋没の捜索>(スコップ・ビーコン・ソンデ棒を使って)
捜索場所:起こった場所と見失った場所を結ぶ線をのばした先のデブリ(末端堆積)の中、手袋や帽子などが見つかった時はその場所より下にいると判断するべきである。
避難場所の確保:二次雪崩が発生した場合見張りの指示する場所へ逃げる。
目印をつける:事故発生現場、捜索した(しない)場所には目印をつけておく。
スカッフ&コール:人は深さ2m以内に埋まっていることが多いので、意識がある場合は雪の上を歩き回る足音や声はよく聞こえている。捜索者は横一列に並び、間隔は肩と肩がふれあうくらいのせまいもので良い。リーダーの「スカッフ」の声で雪面をかくように捜索し、遺留物がないか調べる。「コール」の声で雪面に両手でメガホンを作り呼びかけ、耳をあてて反応を聴く。
雪崩ビーコンによる捜索:二班にわけ、一班が雪崩ビーコンをいれたザックを雪中に隠しもう一班がそれを捜索することを繰り返し練習する。
ゾンデ棒による捜索:横に長く溝を掘る。二班に分かれ一班は溝のどこかにザックを置き、雪をかけて溝全体を隠す。もう一班が横一列に並び、ゾンデ棒をリーダーの指示に従って右足の前、左足の前および一歩前の身体の中心の3点にさし捜索していく。(ゾンデ棒は差し込むのではなく重力に従って重力によって落ちていくような感じでトントンと下に沈めていく。そうでなければ雪の中に曲がって入っていってしまう)
<埋没体験>
埋没体験:深さ1mほどの人間が入るほどの穴を掘り、ヘルメット、ヤッケに身を固めた人間を埋め雪中に埋まった時の体験をする。恐いと思う場合は頭の入る部分に空洞を作ってさらに防水したトランシーバーをもって連絡を取れるようにして埋まるのが良い。ゾンデ棒を上からさして人間に接触した場合の感覚を試したり、スカッフ&コールをして雪のなかで声や足音が聞こえたりする実体験をする。
低体温症:雪の中に長く埋まっていると、身体の内部の熱は維持されているが両手足などの末端は非常に低い温度になっている。救出していきなり身体を動かし、末端の冷たい血液を内部のあたたかい生命維持のための重要な臓器(心臓など)に流すとショックにより死亡してしまうことがある。雪崩による埋没から救出したらいたずらに動かすことをさけツエルト内などで静かに加温するように努めなければならない。
<負傷者の搬出>
ツエルト担架:
@負傷者をツエルトでくるむ。
A引き綱を出したり、ツエルトを閉じたりするのに雪玉を利用しインクノット(クローブヒッチ)で縛ってしまう方法が有効である。
Bツエルトの内側に雪玉を入れ外側から雪玉を芯にテルテル坊主を作る要領でツエルトの布地で包み、テルテル坊主の首の所をスリング等で縛るのである。テルテル坊主の芯としては、雪玉の他に、小石、カラビナなども利用できる。
C関節の部分(足首、膝、大腿のつけね、腰、首)の左右にテルテル坊主を作ってスリングを引き出し、縛り、ツエルトを閉じる。Aに書いたように、テルテル坊主は運搬用の支点にもなる。
<弱層テスト>
☆手首だけで引っ張って円盤がはなれたら危険、ひじならやや危険、肩ならほぼ安全
腰なら安全と思われる。
評価1、安定 →腰を入れて引いても崩れない
評価2、おおむね安定 →腕で抱えて引いたらはがれた
評価3、結合状態が悪い →手首だけで引いたらはがれた
評価4、非常に悪い →円柱を掘り出したら崩れた
評価5、非常に不安定 →テストの必要なくあきらかに危険
☆雪質の観察と危険の目安
雪質 | 硬さの判定(弱層となるか) |
|新雪 握りこぶしが入る( なる)
|こしまり雪 1〜4本の指が入る(なることもある)
|しまり雪 1本指が第一関節まで入る(ならない)
|ざらめ雪 指は入らない(濡れざらめ雪になるとなる)
|こしもざらめ雪 強く押すと一本指が入る(なることもある)
|しもざらめ雪 ばらばらと崩れる 固まらない(なる)
|氷板 一本も指が入らない(ならない)
|表面霜 吹くと飛び散る(なる)
|クラスト 一本も指が入らない(ならない)
|あられ 簡単に指が入る(なる)
☆雪崩発生の危険あり
@雪崩発生と地形の特徴との関係
地形の特徴 カール状(凹丈)の場所(斜面)
狭く急な谷筋で丈夫に広い斜面あり
雪庇(吹き溜まり)の発達する場所
植生の特徴 細い樹木や灌木しかない
樹木がまばらである
草付やハイマツ帯、ガレ場
過去に雪崩れた痕跡(枝、幹の折れ)
A雪崩発生と傾斜
30度〜45度(ただし隣の沢から尾根を乗り越えて来ることもある)
B雪崩発生と降雪
標高2500m以上で、新雪の降雪約10cm
標高2000m前後で、新雪の降雪約30cm
標高に関係なく、新雪の降雪約40cm以� ��
C雪崩発生と風
風速10m以上
D雪崩と雪質(弱層)
あられが降った
表面霜が出来た
積雪内部にしもざらめ雪が出来た
濡れざらめ雪が出来た(融雪、雨などによる)
E登山者側の問題
雪崩に関する知識がないまたは不足
事前に気象や山域の調査をしていない
事前の非常時の態勢の打ち合わせ不足
体力がない(行動のスピードが遅い)
行動技術がない(雪崩回避の行動がとれない)
精神力が欠ける(雪崩回避の行動がとれない)
万一の場合に初動捜索をする能力がない
雪崩ビーコンを持たない
ゾンデを持たない
スコップを持たない
蘇生法を学んでない
仲間の命に対する責任の自覚が欠ける
<雪崩の救助>
@雪崩回避のために心がけること:
・間違った行動
「せっかく来たのだから」「日程に余裕が無い」・・・精神的誘惑
「吹雪がやんで天気になったから」・・・雪崩に関する無関心
「他のパーティが行動しているから・・・自主行動・自主判断の放棄
・雪崩を想定した準備
行動の原点に雪崩を想定する。
メンバー相互の安全確認
雪崩走路を想定したルートファインディング。
・身支度
防寒着をつける。
フードを被る。
ファスナーやボタンをきちんとしめる。
身につけている装備をはずしやすくする。(またははずす。)
・ルートの選択
事前に雪崩走路を予測し、退避方向を決定しておく。
なるべく尾根の直登、直下降をとる。
やむを得ずトラバースする場合は、少しでも安全と思われるポイント
(大岩、密生した木立、尾根)をつないでいく。
・行動上の注意
雪崩が予想される場所で立ち止まったり、大勢が集まってはならない。
スキーで滑れるような疎林では、雪崩を防止出来ない。
雪崩が予想されるような場所では、20m以上間隔をあける。
立ち止まらず、静かに速やかに行動する。
待機者は雪面に絶えず気を配り、行動中の仲間を監視する。
白人女性の主要な死亡原因は何ですか
A雪崩に巻き込まれたら:
・大声で仲間に知らせる。
・事前に決めた退避方向へ逃げる。
・身につけている装備を捨てる。
・手足を動かし、浮上する努力をする。
・手、腕で顔面を覆い、口、耳、鼻に雪が進入するのを防ぎ、呼吸空間を確保する。
・埋まってしまったら、慌てず呼吸を落ち着ける。
・むやみに大声を出さない(雪の中から外への音は伝わりにくい)。
B雪崩が発生したら:
・巻き込まれた人の行方を見届け、捜索範囲の確定に役立てる。
・声を掛け合い、メンバーの確認をし、埋没者の手足が出ていないか
遺留物がないか探す。
・すみやかに安全な場所に移動し、再度メンバー確認を行う。
・雪崩ビーコンは受信レンジにする。OFFにしてはならない。
・生存者は二重遭難の危険がないならば、直ちに埋没者の捜索を開始する。
C雪崩現場でのパニックの克服:
下からの救助隊は生存処置にはならないので、自分たちでの捜索を忘れ、すぐ救助依頼に走らないこと。その上で状況・装備・人数などを考慮し、自分たちで救助捜索できるのかどうにかについて正しい判断が必要となる。また、呆然として動かないとか、ショックで動けないとか、人情に駆られてやみくもに現場に入って探すなど、二重遭難の危険性が大であり、発見できない場合が多い。事前の充分な知識と、組織的熟練度を高めておくこと。
D役割分担:
・事故の記録と雪崩の見張り
現場図面・時刻・捜索内容などの記録を、現場を見渡せる安全な場所で行う。
・埋没者の手当
安全地帯を整地し、ツエルト、テントを張り、ストーブを焚くなどして暖める。
・埋没者の捜索
二重遭難を避けるため、見張りと連絡を取り合うこと。
また、事前に退避方向を決めておくこと。
E捜索
・退避方向を決めておく。
・埋没地点の可能性
雪崩で見えなくなった地点の延長戦の下流
雪崩の向きが変わった外側のデブリ
遺留物の下流
・雪崩の幅が広い場合、約20m間隔で並びデブリの上を捜索する。
・信号をキャッチしたらレンジを変えながら追尾する。
・複数の埋没者がいる場合、信号が複雑になる。
複数の信号を受信したらすぐにレンジを変え、強い信号のみ受信する。
・2mレンジになったらビーコンを雪面につけて、
信号が強いと思われるところをただちにシャベルで掘る。
F埋没者発見後の処置:
・直ちに顔を掘り出して、呼吸を確保する。
・口、鼻につまった雪をかきだして、気道を確保する。
・ビーコンを発信レンジに戻す。安全地帯に搬送するまでOFFにしてはならない。
・搬出に充分な広い穴を掘る。
・掘り出す時は事故者を大きく揺すったり、ひきずり上げるようにしてはいけない。除々に体のまわりの雪を取り除き、事故者を外気(風)に直接さらさないように、顔以外の体からは、雪を全部取り除かない(雪で被って保護する)。事故者を完全に掘り出して外気にさらすと急激に体温を失ってしまうことになる。ツエルト類をかぶせてから、体についた雪を取り除き、体が直接外気にふれないようにしっかりと包みこむ。ツエル ト類の包み方がいいかげんだと、ゆるんで隙間が出来、冷たい風が入ってしまう。
・事故者の移動は静かに丁寧に行い。事故者体の中心部に冷たい血液が流れるのを防ぐ。
・意識の有無に関係なく、外見からは負傷の程度はわからないので、慎重に扱う。
・心臓マッサージを行う場合は、ザック、スキー板など、固いものを下に敷く。
・速やかに安全地帯に移動し、ツエルト、テントに収容する。
・頭部、胴体の保温と、ゆっくりした加温を続ける。低対温症になった体はなかなかもとにもどらない、最低でも2時間はかかる。元気になって動き出したら冷たい血液が心臓に流れて、心停止した例もある、症状が緩和されたように見えてもすぐに対応をやめてはならない。
・濡れた衣類は出来れば脱がせて渇いたもの� ��交換する。
<雪山のロープワーク>
◆ダイナミックビレー:雪上でのビレーは岩壁でのそれと異なり、ロープの流れにゆっくりと制動をかけ、強いショックを与えないようにします。具体的には決してビレーの手を握り締めないで、ロープと衣服との摩擦によって制動をかけるようにします(制動を大きくしたければ、ロープの体に回す部分を大きくします)。これにより、雪上に作った不安定な支点がこわれるのをふせごうとするのです。スタンディングアックスビレーと腰がらみビレーがあります(他にブーツアックスビレー、ヒップアックスビレーなどが有りますが日本ではほとんど見かけません)。
*不安定な支点=雪にさしたピッケル、雪にさしたスノーバー、雪に埋 めたピッケル、雪に埋めた雪入りスタッフバック、雪に埋めたデッドマン、ポラード(直径1メートルくらいの人口の雪きのこ)、氷に作ったVスレッド、氷にセットしたアイスハーケン類、など
スタンディングアックスビレー
ピッケルのシャフトの頭部(石突の反対側)に60cmスリングを二重にして30cmスリング(=スリングA)を作りタイオフ(巻数の少ないブルージック結び)します。ピッケルを雪面に刺し、ピッケルの頭かスリングを足で踏みつけて固定します。スリングAにカラビナをかけ、そのカラビナにパートナーから来たロープ通し、そのロープを肩がらでビレーします。ピッケルの雪面への刺し方、Aスリングの長さやセットの位置、踏み込む足が山側か谷側か両足か、・・・etc .が定説に落ち着いていないようです。実地の研修を多く積み自分のやり方は自分で決めなければなりません。
◆コンティニアスクライミングの研究:
沢登りノートにあるコンテニアスクライミングの項をごらん下さい。→こちら
◆雪上の支点について:
デッドマン
ビレイポイントのない雪面で、雪に埋め込んで使用する支点用具です。主にセルフビレー用の支点として使われます。空に上がる凧の反対の「雪に食い込んで沈む凧」のイメージでセットします。締まった雪に効きます(新雪は無理)。
スノーバー
雪面に叩き込み、雪壁登攀のランニングビレイの支点として使用します。複数のスノーバー(ピッケル、バイルも使える)を連携� ��てランニングビレーのシステムを作ります。スノーバーはかたい雪でないと効かないので、不安な場合は写真中央のスリングに長スリングを結びつけ全体を深く雪に埋めて、スリングのみ雪面に出し、強い支点を作ります。雪に埋めるなら、スノーバーでなくても、木の枝でも、ストックでも、雪を詰めたスタッフバックなどでも強い支点になります。
アイスハーケン
写真左から
イボイノシシ…岩と氷と凍った草付に対応するスグレモノです(2012年現在ヴァーテックス社扱い)。
スナーグ……打ち込みハーケンだが、ネジが切ってあるので回収が用意です。
スクリュー…ハンマー不要、Vスレッドを作る道具にもなります、ねじ込みすぎて刃が岩に当たらないように注意して下さい。
*� ��スレッドを作るにはスクリューの他にダイニーマ細スリングとそれを穴から引き出すカギ付の編み棒様の専用用具が必要です。
氷抜き棒…スナーグやスクリューを回収した途端に中の雪を抜くための用具です(ホームセンターで購入)。
アングルロックハーケン…<を幅広のクラック| |に|<|のように打ち込みます。
*ロックハーケンは氷雪用ではありませが、岩が出ていれば使えるので重宝します。
◆雪稜でのロープワーク(樹木や岩の割れ目などの確実な支点が見つからない急峻な雪稜):
◇個人の標準装備としてデッドマン1つ、スノーバー1つ、アイスバイルゼン1つ、ピッケル1つ、ハーケン(イボイノシシ2、スナーグ1つ、スクリュー1 つ)を持ちます。
◇セカンドの動作
セカンドはセルフビレーをセットします。セルフビレーの支点としては雪に打ち込んだピッケルかバイル、それが効かない場合はデッドマン、それもだめな場合は穴を掘ってピッケル等を埋め込んで作ります。時間をかければ支点の強度が充分にあって、整地された操作性の良いビレーポイントが作れるわけですが、時間が短縮された方が安全である場合も多いので、状況に合わせて工夫する必要があります。次にトップをスタンディングアックスビレー(腰がらみビレーの場合もある)でビレーします(トップが滑落した時のロープの流れを考えた位置でビレーしなければなりません)。
◇リーダーの動作
リーダーは、スノーバー・ピッケル・アイスバイル・デッドマン(標準装備で自� �のとパートナーの用具を合わせると最大7ヶ)などを雪面に打ち込んで、(スリングカラビナをかけメインロープを通して)ランニングビレーをセットしながら前進します。最終的にはリーダーはアイスバイル1本を手元に残します。ロープが一杯になる手前でビレーポイントを作り、セルフビレーをセットします。途中にハーケンが打てる岩の割れ目、灌木などの強い支点ががあれば、そこにランニングビレーをセットしたりビレーポイントにしたりします。
救助訓練
2011年に実施した救助訓練の流れ改定版
(セットしたトップロープや懸垂用ロープはその場に残す)(女子班を作る)(伝える側の指導過多注意!)
1、コの字エリアにて(トップロープをセット、その隣のやや上に懸垂下降用のロープをセットする)
@懸垂下降の登り返し(ロープの結び目が上に来るまで回転させてから固定、2分の1吊り上げシステム使って登り返す)
A懸垂下降&仮固定各種(エイト環、ATC、ハーフマスト、ハーネスがない場合)
B自己脱出(=ロープ登り)&降り(トップロープでクライマーをビレーする。トップロープに隣に張られた別のロープをスリングをかけて登る。適当な高さまで登ったら、懸垂下降器をセット、下のロープを足に巻き付けて踏みつ� �て立ち上がり、スリングのテンションを解除、スリングを回収して、懸垂下降する)
C二人懸垂各種(エイト環二回かけ、ハーフマスト二回ひねり、支点折り返し懸垂)
D懸垂救助(懸垂下降で降りて行き、宙吊り状態の人を救助"エイト環、ハーフマスト"する)
2、樹木の広場にて
@合図なしのリードアンドフォロー(リーダーはビレー解除を言わないで、ビレーの体勢をとりロープをあげる、セカンドはロープがいっぱいになったらもう一本ロープを引いてカラビナのかけかえをしながら登り途中でサード以降にトップの声を中継する。中継出来ればロープウェイ方式が使える、中継が不可ならサード以降全員は髭出し方式でロープにつながって同時登攀する。)
A単独登攀(ロープをザックにしま い末端を固定、ブルージックでハーネスと結ぶ、自分でロープを適当な長さ出しながらプロテクションをとって登る(10mおきくらいにメインロープと支点をハーフマストで連結)、懸垂で降りて末端の固定を解除、ブルージックでロープを登る。)
Bつりあげシステム(1/2,1/3,1/5,1/7)(樹木を支点に本を見ながら研究する、補助ロープを使わない方法で、タイブロックは使って良い)
Cビレーヤーの脱出(マリーナヒッチによるテンションの移動、トップに引き寄せロープをつけに行き、再びビレーの体制の戻りトップを降ろしながら、ビレーヤーのいるテラスに引き寄せる)
3、その他(時間にゆとりがある場合)
@懸垂下降中に服や髪の毛が下降器に挟まり動けなくなった人を、ロープ割り懸垂で救助に行く(エイト環� �安全環付カラビナ、1ロープにカラビナをかけ2ロープにエイト環をからげて下に折る)
A単独クライミングトレーニングの方法(トップロープの上を固定し下には重りを吊す、アッセンダ―(タイブロック)をロープにセットしてハーネスと連結、単独登攀し、単独登攀を途中で止めて懸垂下降する。)
Bロープを投げない懸垂下降(袋入れ、首かけ、ロープ引っ張り方式)
C人の背負い方各種、ザックと棒、ザックとハーネス、ザックと雨具
<参考>
単独登攀の方法
(1)メインロープを'エイトノットを施した'末端(:末端A)からザックの中に、ザックの上から送り入れる。
(2)メインロープの反対側の末端(:末端B)を3mほど出して残り全部をザックに入れてしまう。
(3)メインロープの末端Bを� �丈な支点に固定する。
(4)スリングで、双方向に効くオートブロックヒッチ(ブルージックなど)を、メインロープに施し。そのスリングをハーネスに連結する。
(5)メインロープを'次の支点に届く長さ'だけザックから出し、(4)のオートブロックヒッチは'その長さ'分だけ末端A側にスライドさせる。
(6)支点まで登って、メインロープを支点にクリップする。(5)と(6)を繰り返して登って行く。
(7)10メートル置きくらいに、普通のクリップでなくてメインロープと支点をハーフマストで連結する形にする。
*メインロープがその重さで下がってしまうのを防ぐためである。
*ハーフマストでなくてクローブヒッチやエイトノット等で連結すると、ロープの弾性を利用することが出来なくなる� ��
(8)終了点まで登ったらシステムを解除する。メインロープの末端Aを終了点付近に固定する。
(9)固定されたメインロープを使って懸垂下降をし、ヌンチャク等を回収しながら、登り始め地点まで戻り、末端Bの固定を解除する。
(10)メインロープ(末端Aが固定されている)を使って、もう一度、同じルートを登る。
単独クライミングトレーニングの方法
(1)トップロープの上を固定し下には重りを吊す。
(2)タイプロックやアッセンダ―などのロープを登る器具(以下:タイブロック)をロープにセットしてさらにハーネスと連結する。
(3)タイブロックを体にタスキ掛けにしたスリングで上方向に吊る。
(4)単独登攀をする。
*タイブロックはロープ上をスライドして 上方向に進み、クライマーが落ちればロープに食い込んで止まる。
(5)単独登攀を途中で止めて、タイブロックにぶら下がり、懸垂下降システムをメインロープにセットする。
(6)メインロープを靴に巻き付けて、それを踏み込んで立ち上がり、タイブロックにかかるテンションを解除する。
(7)タイブロックをメインロープから解除し、メインロープの靴への巻き付けも解除して、懸垂下降で下に降りる。
(8)単独クライミングトレーニングの(5)以下の手順は、「懸垂下降終了点付近でもう一本のロープを繋ぎ、繋ぎの結び目を通過して懸垂下降を続ける方法」に応用出来る。
負傷者の背負い方(ハーネスを利用)。
負傷者の背負い方は夏山サバイバル訓練で練習した� �リングを使う方法と、ハーネスを使う方法のうちハーネスを使う方法を行う。夏山サバイバル訓練ではスリングを使う方法に重点がおかれている。過去の山行での怪我人の搬出の事例を振り返ると、全てスリングを使う方法が使われている(スリングを使う方法は簡単で事故現場からの脱出がすばやく出来るし、ハーネスをつけない程度の場所で怪我することの方が多かったため)。いずれにしても安全な場所まで行き。救急手当をして、長い距離、負傷者を背負って搬出する場合はザックを使う方法に切り替える。
ロープ割懸垂(救助用のもう一本のロープが無い場合)
服や髪の毛が挟まったり、バックアップのスリングがロックするなどして、懸垂下降(空中懸垂)の途中で動けなくなった人を助けに行くシステムである(救助される人がぶら下がるロープのテンションを利用)。救助される人は、スリングを持っていないか、スリングを持っていてもフリクションヒッチを使えない程度の初心者である(ガイドに対するクライアント)。
ロープ割り懸垂でなくて自己脱出のシステムを作り、ロープをつたって降りていく方が、時間はかかるかも知れないが、ロープのテンションからの自由度が高いし、緩斜面にも対応出来る。実際の場面では、知名度・汎用度・単純度も高い自己脱出を使うべきだろうと考え る。なので、ロープ割懸垂はロープワークの総合力を試すための「ゲレンデで行う課題」としたい。
懸垂下降の登り返し
懸垂下降で下まで降りたトップ(以下:下の人)は、ロープを引いてみてロープが回収出来るか確かめる。次に降りた地点から先に進めるかを確認する。ロープは回収出来るが、降りた地点から先にはまだゴルジュが続くなどの理由で進めない場合には、ロープを回収しないで、上の懸垂の開始地点まで登り帰さなければならない。上に残った人と急速に登る方法(下の@〜E)を行う打ち合わせが出来ていなければ、自己脱出でロープを登る。もし打ち合わせが出来ているならば、
@下の人は、二本の下に垂れた懸垂用ロープの末端を繋ぎ、そのロープを自分のハーネスの安全環付カラビナに通す。
A上の人は、下に垂れたロープの内一本をロープの結び目が上がって来るまで引� �上げる。
B上の人は、二本の下に垂れた懸垂用ロープの内の一本(Aロープ)を支点に固定する。もう一本(Bロープ)に、オートブロックヒッチを施して安全システムを作る(あるいはBロープをビレーする)。
C上の人は、Bロープを引き上げる。
D下の人は、二本の下に垂れた懸垂用ロープの内の一本で引きあがらない方のロープ(Aロープ)につかまって登る。
*Aロープが細いとかオーバーハングの岩場で腕力が尽きそうならば、Aロープを自己脱出で登る。
*自己脱出システムは登る人のセルフビレーにもなる。
E結果として2分の1の吊り上げシステムとなって、楽に早く登り返すことが出来る。
*上の人のシステム理解が不十分であるならば、@〜Eの方法は使わず初めから自己脱出で登ること。
テンンションのかかったロープを固定して自由に動けるようになる。
下図では片手でフリクションヒッチを施すのみであるが、仮固定で両手をフリーにし、マリーナヒッチでテンションのかかったロープを固定すれば、ビレーヤーが自由に動いた後に(例:負傷者の所まで往復)、再度、ビレーヤーにテンションを戻すことが出来る。
一人で懸垂下降して救助に向かう(一人しかいない場合)
ロープの結び目通過
救助者などを上からロープに吊って降ろして行く時に用いる。ロープを繋ぐことで、同じ支点を使って、ロープ2本分の長さを吊り降ろすことが出来る。エイト環などの制動器(以下:エイト環)でロープに制動をかけながら降ろすのだが、2本のロープの結び目がエイト環を通過出来なくなるので、次の@〜Iの手順で結び目を通過させる。
<注>上からでは懸垂者の動きが見えない場合は、20メートル程度降ろしたあたりから、懸垂者に引かれているのか、ロープの重みで引かれているのかが区別がつかなくなってしまうので、上からの吊り降ろしは止めて普通の懸垂下降を行うこと。普通の懸垂下降で結び目通過が必要になった場合は、懸垂者自身がマリ ーナヒッチによる方法や、単独クライミングトレーニングの(5)以下の応用でそれ(=結び目通過)を行うこと。
◆都岳連救助マニュアルに掲載されている方法
@一本目のロープAと二本目のロープBをダブルフィッシャーマン結びなどで連結しておく(連結は頑丈に行うこと)。
A一本目のロープAでエイト環αを使って救助者の吊り降ろしを行って行き、ロープAとロープBの結び目が近付いたら、ロープAをエイト環αに仮固定する。
BテンションのかかったロープAと補助ロープCをフリクションヒッチで連結する
(スリングでフリクションヒッチを施し、そのスリングと補助ロープCを連結してもよい)。
*フリクションヒッチ→ブルージック,バッチマン,ク� �ムハイスト,マッシャー,など
C補助ロープCをもう一つのエイト環βに仮固定する(補助ロープCに大きな弛みがあってはならない)。
Dエイト環αの仮固定をほどき、エイト環βに補助ロープCからのテンションがかかるまで、ロープAを徐々に繰り出す。
Eエイト環βにテンションが移ったら、エイト環αを結び目を通過した位置にセットしなおす(結び目を通過させる)。
FロープBをエイト環αに仮固定する。
Gエイト環βの仮固定をほどき、エイト環αにロープBからのテンションがかかるまで、補助ロープCを徐々に繰り出す。
Hエイト環αにテンションが移ったら、エイト環βと補助ロープCを解除(取り去る)する。
Iエイト環αとロープBを使って救助者などの吊り降ろしを継続する。
都� �連救助マニュアルに掲載されている方法はエイト環にロープを仮固定することを3回行わなければならないので手順が複雑である。以下の2つの方法はより簡単である。
◆仮固定が2回ですむ方法
@一本目のロープAと二本目のロープBは連結しておかない。ロープAの吊り下げられる救助者側でない方の末端にはエイトノットを作っておく。
A一本目のロープAでエイト環αを使って救助者の吊り降ろしを行って行き、45メートルほど降ろして、ロープAの末端がが近付いたら、ロープAをエイト環αに仮固定する。
BテンションのかかっているロープAにロープBを「フリクションヒッチ+止め結び」で連結する(連結は頑丈に行うこと)。
CロープBをエイト環βに仮固定する(仮固定とフリクションヒッ� ��の間のロープBに大きな弛みがあってはならない)。
Dエイト環αの仮固定をほどき、エイト環βにロープBからのテンションがかかるまで、ロープAを徐々に繰り出す。
Eエイト環βにテンションが移ったら、エイト環αを解除(取り去る)。
Fエイト環βの仮固定をほどきエイト環βとロープBを使って吊り降ろしを継続する。
◆樹木をビレー器具にしてしまう方法
@吊り下げを行う場所に太い樹木が植えていればこの方法が便利である。
A一本目のロープAと二本目のロープBの末端を二本束ねて、普通のノット(フューラー結び)を2個重ねて作り、連結する。普通のノットを引きはがす向きの加重(リング加重)が加わるので、安全のために、結び目からそれぞれのロープの末端は1メートル程度出すこと。
Bエイト環などの制動器を使わずに太い樹木の幹にロープAを掛けて、樹木とロープAの摩擦を利用して制動をかけながら救助者などを吊り降ろす(腰がらみのビレーに似ている、腰→樹木)。
Cロープの結び目があっても気にせず、ロープAからロープBに移行する。エイトノットの結び目は樹木で引っかかることなく、その� �皮の上を滑って通過する。「岩登りノート」の懸垂下降の項もごらん下さい。
つり上げシステム
・1分の1、2分の1、3分の1、5分の1、7分の1、9分の1のシステムがある。
*本ページでは補助ロープを使わない吊り上げシステムを採用している。
・多くの人手があれば、綱引きの綱を引くようにして、負傷者を引き上げてしまうのが良い(1分の1システム)。3分の1以上のシステムは摩擦による抵抗が大きいからである。
・人手少ないが、負傷者が腕力でロープを引ける場合は2分の1システムが良い(リードクライミング中に途中で墜落したクライマーがビレーヤーの助けを借りて上の支点までゴボウで登る時と同じ原理)。
・3分の1システムは「チロリアンブリッジのセット」や「トラックの荷台の荷物をロープで引き締める方法」と原理は同じである。
チロリアンブリッジ→右に90度回転すれば3分の1の吊り上げ
・すぐに作れるのは3分の1システム、3分の1になったロープにさらに3分の1システムを施せば9分の1システムになる。
・トップが登れた所をセカンドがフォロー出来ない場合は、ダブルロープを使った引き上げシステムを作るのが良いだろう。トップはダブルロープのうち一方のロープ(以下:青ロープ)を支点に固定してまう。そして、もう一方のロープ(以下:赤ロープ)だけを思い切りテンションをかけながら(引き上げながら)ビレーする(3分の1システムを作って引き揚げても良い)。セカンドは、まず、青ロープをハーネスからはずし末端をフリーにする、次に、青ロープを手で引いて登ったり、青ロープにフリクションヒッチを施して自己脱出で登ったりして上昇する。セカンドの上昇力� ��トップの赤ロープの引き上げ力が加わって2分の1システムに近い効率で昇って来ることが出来る。
・7分の1と9分の1システムは非効率で時間がかかる。現実の場面で使えるのは5分の1システムまでであろう。その5分の1システムも、つりあげ者が1人しかいなくて、しかも、2分の1システムが作れない場合(負傷者のロープを届けられないor負傷者が手を使えない)に行うことになるだろう。
・下の写真は7分の1システムである。
器具名、下から上に向けて (1)3分の1用タイブロック (2)ヌンチャク (3)3分の1用プーリー 写真上部の立木付近を拡大し 雪山でつりあげシステムをセット 不明の点は岩登りゲレンデ講 | |
器具名、 右下から左上に向けて @7分の1用タイブロック | |
タイブロックとプーリーを組み合 わせて作った、オートロックシス テム 左下に伸びるロープの末端に 上の写真ではこのシステムで オートロックシステムを確実 プーリーやタイブロックがなけ |
ロープを投げないで懸垂用のロープを張る方法。
懸垂用のロープを投げるとヤブや岩角に引っかかるのがあたりまえである。一番目に懸垂下降する人は引っかかったロープを直しながろ降りなければならず、危険な場合も多い。フリクションヒッチを懸垂用ロープにかけてハーネスと連結する方法でバックアップを施すべきだが、そのゆとりもないほどに急がされる場合も多い。
@懸垂下降をする者がロープを袋に入れて持ち、ロープを投げずに袋から繰り出しながら降りて行く方法
…ロープを袋に入れる方法がベストと考えられる。
…ロープの末端を結べるので安心度も高い。
A懸垂下降をする者がロープを首にかけて持ち首から繰り出しながら降りて行く� �法
…首にかけているので、首が締まらないための十分な注意が必要。
Bロープを投げずに懸垂の支点の付近に残して置き、懸垂者が4本のロープを引く形で降りて行く方法。
…上の者が懸垂用ロープを徐々に繰り出して補助する。
…半分の距離を懸垂した所で、半分の距離分のロープが落ちて来る。
…その半分のロープがどこかに引っかかるかも知れないので、末端は結ばない。
Cエイト環等でビレーしながら吊り下ろす方法
…懸垂者は両手が使える。
…懸垂者が見えない状態で降ろすのは危険(懸垂距離は15メートル以内に留める)。
…20メートルも降ろすとロープの重さで懸垂者の動きがわからなくなる。
人を背負って緩斜面を懸垂下降する方法。
@懸垂下降というよりはロワーダウンと呼ばれている方法に近い。
*キーポイント1=「人を背負ことで生じる下降器の制動力不足を補うこと」
*キーポイント2=「負傷者にメインロープからセルフビレーをセットすること」
@トップロープの終了点から、救助者が自分で自分をビレーしながらロワーダウンするように下降する。
*救助者は、自分のハーネスに結んだ懸垂用ロープを上に向かわせ、ロワーダウンの支点で折り返して下に向かわせる、下に向かって降りてきたロープをボディビレーする。
*救助者はビレー器を通してロープを上に送り出すことで下降する。トップロープの支点の摩擦が加� ��って制動力が増す。
@負傷者のセルフビレーをセットする。
*救助者のハーネスから上に伸びるロープの、ハーネスから1mくらい上の所に、オートブロック結びでスリングをセットする(下降を開始する前にセットしておく)。
*負傷者の所まで降りたら、負傷者のハーネスと上記スリングを連結してセルフビレーとする(連結する前にオートブロック結びをスライドして、ちょうど背負いやすい長さに調節すること)。
@負傷者の手当てをし、背負って、降りる。
*人の背負い方は夏山サバイバル訓練で練習した方法を使う。
懸垂救助(負傷者が宙吊りになっている場合の救助の方法)
@負傷者役の者が、トップロープにつながり岩場の途中まで登り、手を離してトップロープに宙吊りになる。トップロープの確保者は、テンションのかかったロープを仮固定し、その場に待機する。
@救助者役の者は負傷者の上部から懸垂下降する(落石に注意)。
@懸垂下降はハーフマスト2回ひねりやエイト環2回がけなど、制動力の大きな方法を使う。
@負傷者の上部で、負傷者のハーネスに手が届く位置でなるべく高い位置に停止し、ロープを何回も巻きつけて仮固定する。二人分の体重がかかって解除出来る仮固定でなければならないので、仮固定をしないで制動手を握りしめ、もう一方の手で負傷者との連結作業などっを行った方が良い場合も多い。
@負傷者を、救助者のエイト環の小さい輪又� ��そこにかけたカラビナに、スリングで連結する(ロープのテンションがあるので、負傷者は軽く持ち上がり、救助者はその重みで下がるので連結は容易である)。負傷者を救助者のハーネスに連結してはならない(トラブルが発生した場合救助者の身動きがとれなくなる)。
@負傷者の腹を救助者の足の間にはさむ感じの位置になり、スリング負傷者の背中からとって負傷者の頭を起こすようにする。頭を起こすことは省略しても早く下ろした方が良い場合もある。
@負傷者をささえていたロープを切断する。この時救助者の懸垂用のロープを切ってしまわないように、ナイフの刃の向きなどに配慮が必要である。本訓練ではロープを切断せずにトップロープの確保者が仮固定をといてロープを流す。
@救助者は仮固定をとい� �負傷者を連結したまま懸垂下降を再開し、下まで降りる。
ショートロープ研修
<想定1>右手を負傷してロープ操作が出来なくなった負傷者を伴って2人で岩稜ルートを通過する。
<想定2>想定1の負傷者と未成年(子供)を伴って3人で岩稜ルートを通過する。
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◆安全を絶対に守れると確信出来ないなら進まない、引き返して別の方法を考える。
◆ショートロープは熟練した山岳ガイドが使う技術であって、安易に使うものではない。
◆ギアの携行法、
なるべく必要最小限に、ハーネスにつけるのみ、胸につける場合は右側に少々、ザックのウエストベルトは撤去する、ピッケルバンドはいらない(ピッケルのアルペンざしなどピッケルの携行法の工夫)、安全環つきカラビナはネジ式(途中までしか締め� �い)、スリングは細いダイニーマ{60cm,180cm(180cmスリングは支点、簡易ハーネス、引き揚げ用の補助ロープなど多用途)}
◆支点を作る
岩角、鎖、立木などをなるべく利用、180cmスリングで固定分散(早い)、流動分散はやめた方が良い。
◆ロープのザックへのしまい方とコイルの止め方
@雨蓋の下、右側から引き出せるようにする(ザックから物を出す場合はサイドジッパーから)。
A9m,4m,2m,♀(クシニクと覚える)、即ち、負傷者からコイルを持つ手までに2メートル、コイルに4メートル、肩に巻くのに9メートル使い、残りをザックに送り込むように入れる。
Bはじめは9メートルの部分を(コイルにして肩にかけないで)ザックに入れておくとすっきりする(4m,2m,♀)。
Cザックから出た� ��ープをハーネスにクラブヒッチで連結する。
D首と左手でコイルを作る。
Eコイルは右肩から左腰にかけて襷(たすき)がけにする。
Fビレーループに通して、コイルをからげて(2回転する方がベター)、オーバーハンドノットで止める。
*負傷者から15m離れた所のロープを折って1メートルほどのヘアピン(ロープ2本の束)を作りそれを救助者のビレーループに通して、肩にかけたコイルをからげて、セカンドに向かうロープに止め結び(オーバーハンドノット)する。
◆負傷者とロープの連結
ガイド協会はエイトノットであるが、Timtamではブーリンプラス止め結びで連結する(なぜならハーネスがない場合に使えるから)。
◆コイルの持ち方
負傷者側から左手で持って、コイルを作り、� �り終えたら右手に持ち替えて(左手で巻いたロープを右手で持つのは負傷者側からロープを伸ばせるから)、コイルが負傷者からのロープの上にくる方向に右手首を時計回りに返し、右手の中指と人指の間で負傷者側から来るロープを挟む(ロープの緩み止めが出来る)。
◆コイルの左手への持ち替え
右手の手首のひねりをもとにもどしてロープの緩み止めを解除。コイルを左手に持ち替えて、コイルが負傷者からのロープの上にくる方向に左手の手首を左回りに返し、左手の中指と人差し指の間で負傷者側から来るロープを鋏みロープの緩み止めを作る。
*コイルの左右手への持ち替えをくりかえし練習する(以下左手から右手への持ち替え)。
左手の手首のひねりをもとにもどしてロープの緩み止めを解除。コイ� �を右手に持ち替えて、コイルが負傷者からのロープの上にくる方向に右手の手首を右回りに返し、右手の中指と人差し指の間で負傷者側から来るロープを鋏みロープの緩み止めを作る。
◆下りの場合
@下りは負傷者が先行する(負傷者は救助者より下方にいて救助者に上方向に引かれながら歩く)。
*登りは救助者が先行する。
A鎖場をコンテで下る方法:(a)ロープを鎖にかけて鎖スライドビレー,(b)カラビナを鎖にかけてそのカラビナとハーネスをスリングで連結した鎖スライドセルフビレー
◆トラバースの場合
@負傷者の上側を歩く、歩けない場合は振り子トラバース、振り子トラバースも出来ない場合はロープをフィックスするか後ろにビレーヤーを配置する(負傷者は中間� ��になる)。
A2人の場合は2人の中央の上から2人をロープで釣る。
Bトラバースルートをショートロープで通過するのは相当に難しいので、負傷者の後ろにいて腰のハーネスを掴んで歩くぐらいで良い(ロープを介せずに負傷者を持つ)。
Cたとえば雪の斜面では負傷者用のトレースをつけて次のレストポイントまで行き、負傷者用のトレースの上にショートロープ保持者用のトレースをつけて戻って来きて上下2本のトレースをつける。
Dトラバースのショートロープは難しい、危ないと思ったらロープをフィックッスとか、後続にビレーヤーを配置する方法に切り替える。それもだめならルートを変える(例えばトラバース出来る所まで戻り、そこをトラバースしてから直上する)。
◆レストしてもらう方法
セル� �ビレーをセットしてあげられない場合は低い姿勢で手はどこかを持ってもらか地に手をつかせる(手でどこかを持たせることで不用意にその場から動かなくなる)。もちろん、セルフビレーがセット出来るならセットしてあげる(負傷者はセルフビレーをセット出来ない)。
◆タイトロープへの切り替え
@6m(2+4=6)のタイトロープは両手はフリーだけれど確保力は小さい
A15m(2+4+9=15)のタイトロープは有効(短いと確保力が小さい、長いとロープと回りの木や岩との摩擦が大きくなりすぎる)。氷河の場合は20〜25mのタイトロープを使う(日本では沢の高巻きとか急斜面のヤブ漕ぎなどで使用するので10〜20mの長さが良い)。
◆スタッカットへの切り替え
@手のコイルをほどくのみで4mのスタッカ ット
A肩のループをほどくと15mのスタッカット
Bザックからロープを出して50mのスタッカット(いつも行うリードアンドフォローのクライミング)
Cセカンドがビレー出来ない場合は単独登攀になる。技術が無いとか時間が無いなどで単独登攀出来ないなら引き返す。
◆打ち合わせの重要性
@次に行うことを説明し、意志の疎通をしっかりしてから行動開始すること。なるべく見える所、声が聞こえる所でピッチを切る。
Aロープは伸びていて結びあっている者どうしの距離が遠いほど安全度は高い、だが、それは離れる者どうしのしっかりした打ち合わせがあってこその安全である。
B例えば「動かないで下さい」では不十分で「ここから一歩も動かないで下さい」と打ち合わせる。「ロープがいっぱいになっ たら、セルフビレーを解除して登ってきて下さい」とか、「ロープが弛まないように登ってきて下さい」とかはっきり打ち合わせてから離れること。
B声が聞こえる距離以上に離れない方がいいけれど、声が聞こえないいし姿も見えないしホイッスルの合図でさえ届かないくらい離れることが多々あると知っていなければならない。
◆岩角ビレー、棒くいビレー
1本のロープをビレーするのに有効、下りの場合はビレー終了後巻き取りながら追いつくことも可能(コンテで行ける程度の場所の場合)
◆固定ロープのセット
単独登攀をして、ロープを固定しながら戻る。1人しかいなければ回収も含めて2往復になる。負傷者はラビットノット使用で固定ロープを通過する。
◆懸垂下降,負傷者より先に降りる場合
負傷者に懸垂をセットしてから下る(ハーネスのビレーループからスリングで作った30cmぐらいの「ひげ」を出してその「ひげ」の先に下降器をセットすると良い)。下に降りたら、ロープの末端を持って負傷者のトラブルに備える(落石が来ない場所にいること)。
◆懸垂下降,負傷者のより後に降りる場合
懸垂のロープをセットしてから、上の支点の所でロープを固定、負傷者に1本のロープで懸垂してもらい、もう1本のロープでビレーする。
負傷者の懸垂が終わったら、上の支点の所のロープ固定を解除しロープが下から回収出来るようにする。後続者は2本のロープで普通に懸垂下降をする。この方法は懸垂の初めが不安定な足場である場合に有効である。しかし、上から負傷者(懸垂者)の動きが見えなくなって� �まう場合は、20メートル程度降ろしたあたりから、懸垂者に引かれているのか、ロープの重みで引かれているのかが区別がつかなくなってしまうので、10メートルを軽く越えるような長い距離の懸垂下降の場合は「懸垂下降,負傷者より先に降りる場合」を使用すること。
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◆2人の場合のひげ出し
エイトノット2つとクラブヒッチでひげを作る、ひげの長さは20cmから30cmにする。2人の間隔は1〜2メートル、夏が1メートル強、冬は前の人にアイゼンで蹴られないように2メートル弱。弱い方の人が近くつまりひげに繋がる。
◆2人の場合のロープを真ん中で2つにわける方式
@2人をショートロープで引くとわかっていて、さらにスタッカットやトラバースになるピッチがあると� ��かっているなら、出発前にロープを真ん中にエイトノットを作り、そこからザックに送り込んで、2本のロープがザックから引き出せるようにしておく方が良い。
A上記ひげ出しを使う時は1本だけロープを引いて2人をつなぎ、2本使いたいときはひげをほどき、もう1本のロープで結びなおす。
Bひげ出しを使わないで2本を引いてで歩く時は、2つのコイルは持てないので、弱い人の側のロープのみコイルを作り手で持つ(弱い人が近く)。強い人(後ろの人)の側のロープはコイルなしでハーネスの安全環付きカラビナに繋ぎ直接引く(タイトロープにする)。「ロープが大きく弛まないように歩いて」と指示する。弱い人のザックのサイドのベルトの所にヌンチャクをかけ強い人のロープを通しておくと、弱い人がロープ� �踏まないで良い。
Cスタッカットにするときにがこの方式の本領発揮である。また、トラバースの時も2人の間の上部に位置することが容易である。
◆ルベルソーキューブ(あるいはATCガイド等)によるビレー
ロープを半分から分けて2本にして二人を同時に上げる場合に有効である。ルベルソーキューブ(以下キューブを略)を2個持っていて個別にセットすると、一人落ちて一つがロックしても、もう一人の方のルベルソーはロックしない。ビレーポイントでセルフビレーをセットしなくても良い。次のピッチはセカンド2人のルベルソーを借りてまたそれを2個持って登る(3人組にルベルソーが4個あるということ)。
◆ルベルソーのロックの解除
@HMSカラビナのキコキコするやり方、
A解除用ホー� �を使うやり方
1つのルベルソーで後続2人に繋がるロープを2本同時にビレーしている場合はテンションのかかっていない方のロープにフリクションヒッチを施してから解除する。1つでなくて2つのルベルソーで2人をビレーすればフリクションヒッチがいらないので合理的である(負傷者のセルフビレーをセットする必要もない)。
*1周目はハーネスをつける。スリングやカラビナの数は限定しない。2周目はハーネスなし、安全環つきカラビナ2、普通カラビナ1、60cmスリング2本、120cmスリング1本のみ持つ(二人分合わせてその数)。
救助隊編成
1,隊員の役割分担をきちんと決めておきましょう。
@捜索本隊
A記録係(隊員名簿、事故現場のスケッチ(含、撮影)、救助の進行状況(克明に))
B雪崩の見張り役(二次災害を防ぐため)
Cサポート隊(ツエルト設置、湯沸かし)
Dルート設備およびルート工作
E通信係
F会計係
Gその他
*救助を依頼された場合、リーダーか、隊員か、何係か、自分はどこにあてはまるのか考える。
*集まった集団にあって自分が会のリーダー会員でなくとも、リーダーシップをとれる第一順位が
あるとすればリーダーシップが委譲できる人がくるまでリーダーシップをとり続ける。
2,注意事項
@隊員の安全確保が第一
A多数か少数精鋭の救助隊か、リーダーは隊員の安全確保の視点から決定する。
B手を貸したら最後までめんどうを見る。役割の解除はきちんと確認する。
C死亡の判断は出来ない。生きているものとして扱う。
D救急車に乗せるときは生存者として申告する。(死体は物扱いです。)
Eあらゆる場面でできるだけメモを残す。
F連絡は必ずメモとともに。(5W1H)
G弁解や言い訳を連絡にいれない。
H電話の相手にもメモをしてもらう(メモが無いと伝言ゲームのようにいろいろと解釈が加わって
伝わってしまう)
3,連絡
第一報 警察
第二報 所属山岳会(又は会社)
第三報 家族には所属山岳会(又は会社)に頼む。
登山教室Timtam緊急連絡体制
Timtam救助委員会←←担当リーダ←←←←事故発生
↓ ↑ ↓ ↓ ↓ ↓
登山教室Timtam 事故者自宅 現地警察署 現場処置
山小屋
消防防災・病院
マスメディア対応→対応によって救助活動が阻害される可能性があります。
現地もTimtam救助委員会もサブリーダーが対応にあたり、
リーダの指揮権を守るようにします。
登山教室Timtam 03−3600−3570 (優先順位1)
Ta 090−1691−6581 ( 〃 2)
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