学生としての保険(30歳未満のみ)は、月額50−60ユーロ程度。30歳以上になると、収入額によって、最低でもその倍額程度からになります。
ドイツの健康保険には、大きく分けてPrivat保険とKrankenkasse(以下Kasseと略)の2種類があります。
ここでは、一般的なKasseについて書きます。月額はKasseの中でもまちまちですが、安ければいいというものでもありません。そこそこ名の通った、信頼のおける保険会社を選びましょう。
■Allgemeinarzt/Hausarzt■
日本では、風邪をひいたら内科医にかかりますが、ドイツでは一般医(Allgemeinarzt)のところに行きます。
また、お腹が痛い場合も、まず一般医のところに行きます。一般医が単なる流感だと診断すれば薬が処方され、盲腸炎の疑いが強ければ外科に送られ、心筋梗塞だと診断すれば内科・心臓外科に送られ、妊娠だと診断すれば婦人科へ送られる訳です。
つまり、救急車を呼ぶ以外の場合は、何でもまず一般医のところに行けばいいのです。勿論、「目の調子が悪い」「耳が痛い」といった明らかな場合は、直接専門医を訪ねてもいいのですが。
基本的には、一般医しか家庭医になる事はできません。
長期間滞在する場合、なるべく近所の一般医を探して、あなたの家庭医になってもらえるかどうか、訊きましょう。
家庭医の主な役割:
ヾ擬圓両評の重大性を判断して、治療・様子見にするか、的確な専門医に送る(これは、家庭医でなくても、一般医全般)。
患者があちこちの専門医で受けた検査・治療結果の送り先(受け取り手)となる。つまり、患者のデータは全て家庭医のところに集まる。
4擬圓専門医から受けた治療方針に基づき、治療を引き継ぐ。例えば、専門医が決めた薬を引き続き処方し、効用や副作用を観察し続ける。
つまり、若い健康体なら、家庭医なしでも特に不自由なくやっていけます。ただ、健康体のうちに家庭医を探しておく事をお勧めします。
大体どこも予約制ですが、急患を断る事は禁じられています。
例えば痛みがあれば、ドイツではもう急患になります。はっきり「痛い」「つらい」「高熱」などと事実を(演技ではなく)伝えること。
急患は基本的にその日に診てもらえます。但し、待ち時間が長くなるのは覚悟しましょう。
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また、「出された薬が合わなかったから」と医者を替えるケースもよく耳にします。 薬が合う、合わないには、大きな個人差があります。実際に合うかどうか、結局は試してみるしかない、というのが大半です。
合わなかった場合(効かない、副作用がきつい等)は、処方した医者に「合わないから、別の薬を処方して欲しい」と言いに行くべきです。それが、次のステップになる訳です。
それに耳を貸さないような医者なら、別の医者に替えればいい。
■Praxisgebuehr■
2004年から新しい制度が始まりました。
1年を4等分して、1−3月、4−6月、7−9月、10−12月がひとかたまりの「Quartal」です。Quartalごとに、初めて医者(A)に掛かる時に、10ユーロの「Praxisgebuehr」を支払います。
同じQuartal内に別の医者(B)に掛かる場合、医者Aからの「Ueberweisung」を貰って行かないと、医者Bの所でも10ユーロ支払わなければなりません。医者AのPraxisgebuehrの領収書では駄目です。
つまり、基本的には家庭医(Hausarzt)というものを持ち、専門医(Facharzt)へ行く場合には、家庭医からUeberweisungを貰う、という形になります。
(急ぎの場合で、そのQuartal内で初めて医者に掛かる場合であれば、直接専門医のところへ行って、そこで10ユーロ支払い、逆に家庭医へのUeberweisungを貰ってくる事も可能です。専門医から専門医へのUeberweisungも可能です。)
また、歯科医・精神療法カウンセリング(Psychotherapeut;精神科医ではなくて心理学者によるカウンセリング・セラピー)は別扱いになります。これらは、それぞれ別個に10ユーロ支払わなければいけません。
因みに、これらのPraxisgebuehrは、全額保険会社へ吸い取られて、医師の手元には一銭も残りません。
例"邪をひいて、家庭医に行って、そこで10ユーロ支払う。婦人科の定期検診の予定があるのと、目の調子が悪いのとで、婦人科医と眼科医へのUeberweisungを貰う。
例婦人科の定期検診に行って、そこで10ユーロ支払う。眼科医へと家庭医へのUeberweisungを貰う。
例I邪をひいて、家庭医に行って、そこで10ユーロ支払う。歯が痛くなって、歯医者に行って、そこでも10ユーロ支払う。
どのように中国のボール
注):「定期検診・予防にはPraxisgebuehrは不要」という事になっていますが、保険から「定期検診」として指定されている項目は、ごく僅かです。
定期検診のついでに、ちょっと相談したい、訊きたい、気に掛かっているところも見て欲しい。そんな時のために、できれば、Ueberweisungを持っていきましょう。
電話での相談、常用薬の処方箋のみでも、Praxisgebuehrは必要です。逆に、予防接種を受けるだけなら、不要です。
■保険の負担・自己負担■
ドイツの健康保険(Kasse)では、本人も家族も、必要最低限の治療は全額保険負担です。
夫婦では、1人の保険で2人分賄われます。26歳未満の子供の分も同じです。家族の人数が増えても値上げはありませんし、「本人」「家族」の扱いの差別もありません。但し、家族(配偶者)の個人年収高が一定金額を越えると、自分で独立して保険に入らないといけなくなります。
Praxisgebuehr、薬代・包帯代・救急車での搬送代などは、'収が低く、△修譴蕕料躋曚年収の一定の割合を超える場合、「Befreiung(免除)」の申請をすると、その先は全額保険の負担になります。
そうでない場合は、それらの実費の10%が自己負担となりますが、自己負担額は、最小5ユーロ最大10ユーロの枠内です。つまり、例えば5ユーロ以下の薬なら全額自己負担、100ユーロ200ユーロする薬でも、自己負担額は10ユーロまで。
また、入院中には1日10ユーロが自己負担となります。但し、これも年間28日までで、それ以上の入院は全額保険負担。
ごちゃごちゃ、ややこしく思えるかも知れませんが、要は「必要不可欠な治療に掛かる費用(薬代なども含めて)は何でも、自己負担はある一定の限度額まで」が基本です。
つまり、「突然入院・手術して大金がかかると困るから」と、生命保険を更に重ねて掛ける、日本のようなやり方は不要です。
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妊娠・出産費用は、出産時の1週間の入院費用も含め、基本的なプログラムは全額保険負担です。必要不可欠とされていない、特別な検査を個人的に希望する場合は、その分は自己負担になります。
また、妊娠中は、年収高に拘わらず、上記の薬代・包帯代なども、最初から全額保険負担になります。更に、法的に働けなくなる出産の直前・直後(通常、出産の6週間前から8週間後まで)、育児期間(3年間まで;父母の片方または両方)は、保険会社と雇用先から手当てがもらえ(2年間まで;父母のどちらか片方)、保険代・年金も免除(3年間まで)。妊娠中・入院中に家事を手伝う人がいない場合、家事手伝いの代金も保険で支払われます。
妊娠中から出産後4箇月間までは、解雇される事はなく、基本的には給料もそのまま支払われます。
予防接種は、STIKOにより推薦されているものは、全額保険の負担になります。その他の予防接種(熱帯に旅行する場合など)は自己負担です。
マッサージが保険の負担で処方されたとしても、その内容は、肩なら肩だけ。自己負担で行く全身マッサージとは、内容が違います。
美容整形の類いも、基本的には自己負担です。
(Privat保険では、保険負担の枠が大きくなります。)
■krank schreiben■
病欠には、医師の診断が必要です。
日本の中小企業でよくあるように、「ごほ、ごほ、今日は風邪で休みます〜」と言って、休んだ日数を休暇(或いは残業)から引かれるのではなく、病欠は出勤扱いになり、給料も休暇も引かれません。
医師が病欠を認めた場合、最初の6週間は、雇い主が100%の給料を支払います。 6週間を越えると、今度は保険が給料の70%を支払います。但し、78週間まで。
重要な試験、必修の実習などを休む場合も、医者に病欠を認めてもらうこと。
■Privat保険■
Privat(=私)保険というのは、途中から加入する場合、一定額以上の収入のある人しか入れません。収入が低ければ、普通の国の保険に入る事が「義務」として、強制されますので。
従って、所謂金持ちだけが、「国か私か、全くの保険なし(自費)か」の選択をする事が許されるのです。
国の保険は、収入額によって保険金額が決まるので、高収入の人には高くつきます。しかし、それによって、失業者や社会保障を受けている人達の保険を賄っている訳で、それが社会を支えているのです。
それが嫌で「いちぬーけた」というのが、Privat保険。国の保険と違って任意の保険なので、保険の側から加入希望者を拒否する事ができます。つまり、選ばれた人のみが加入する事ができます。
病気持ちの人は、なかなか入れないし、たとえ入れてもらえても、保険金額は高くなる。
その分、Privat保険は病院への支払いがいい。同じ内容の診察・治療に対して、倍ぐらい支払われます。しかも、医長などには別勘定で支払われる(らしい)。そこで、病院・医院としては、「Privat保険の患者、歓迎」となる訳で、そこで差別待遇が生まれる。非常に嘆かわしいのだけれど。
だから普通に予約をとる場合、Privat保険の患者は、待ち日数が少なくて済む事が多い。はやってくると「Privat保険の患者しか診ない」という、とんでもない医者もいる。
入院時だけPrivat患者として通用する、という、Privat追加保険(Zusatzversicherung)もあり、これには加入者の収入額の制限はありません。
また、自費で治療を受ける事も可能です。例えば、普通の保険に入っているけれど、この手術だけは、どうしてもこの医長にやって欲しい(それがいいかどうかは、また別として)、という場合に、「Selbstzahler」になる、という手があります。
但し、Privat患者の方がいい治療を受けられるかというと、一概にそうも言えません。
例えば普通の保険の患者だと、何かと待たされたり、高額の検査・治療は渋られたり、入院期間を短くして「追い出される」という事が、あり得ます。そういう点では、Privat保険の方が優遇されます。
でも逆に、Privat保険の患者だと、ほんの些細な症状でもフルコースの診断をされたり、大して意味のない治療でも積極的に薦められたり、なかなか退院させてもらえない、という事があり得ます。
Privat病棟では一般に回診が長く、回診で午前中が過ぎてしまう事もある。患者としては、医者とゆっくり喋れる満足感があるかも知れないけれど、医者の仕事は回診だけではない。検査、調べもの、検査結果からの治療方針の打ち出し、家庭医との電話での話し合い・・・などなど、山のようにある。患者と直接コンタクトがない時にも、陰ではカルテを前に医者同士の話し合いが行われ、上司やスペシャリストと相談しながら、治療方針が決められていく。それらが、Privat病棟では滞りがちになるのは避けられない。
私なら、入院中に医者と世間話しなんかできなくてもいいから、検査・治療をきちんと進める事に専念して欲しい。
注):「あり得る」というだけで、常にそうだという訳では、決してありません。
また、Privat保険では、家族の一人ずつが、別計算になります。ですから、例えば子供が一人生まれたら、その分追加して支払う事になります。
個々人の保険金額は、収入額ではなく、加入時の年齢と健康状態から決まります。
注):保険制度は、どんどん変わります。これは参考程度にして、詳しくは御自分の保険会社に確認なさって下さい。
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